少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№228📕資本主義支配は今も形を変え残る

お元気ですか 少年シニアです。「成長」を前提とする資本主義というシステムによって、つねに市場を拡大させることが帝国の最重要課題となりました。その課題を解決すべくそのシステムを誕生させた欧州の強国は、航海技術を駆使して海を渡りその覇権を「教会」とのセットで、アジア・アフリカ・アメリカ・オセアニアへとで進出していきました。しかし、その時代も第二次世界大戦という多大な損失によって終焉をむかえます。

 

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

 

                                 👤

 先日スリランカを旅したのですが、その苦難の歴史をガイドさんに教えて頂きました。最も苦難の時期は、欧州に支配された450年間だったと言います。まず大航海時代、1505年にポルトガルの侵攻を受けて海岸地域が奪われました。その後、支配権はオランダに移りますが、支配されたエリアは貿易の拠点である海岸地域に限定されていました。スリランカの人々は山間部に移り、一致団結し山間部への侵攻を阻止し釈迦の歯を含む仏教に欠かせない物品を守りました。

           👤                        👤

 しかし、オランダを駆逐してスリランカの実権を握った大英帝国は、山間部にも侵攻し、スリランカの人々が必死で守ろうとした先のものを力で奪いました。その軍隊の構成員の大半はこれも力で奪ったアフリカの奴隷たちだったそうです。そして海外進出のもう一つのセットである教会が入り込み、多くのスリランカ人が信仰していた仏教からキリスト教への改宗を迫ったと言います。物という見える財産を略奪するだけでなく信仰という心の財産をも奪おうとしたのです。

          👤        👤        👤

 ただ、力による強引な支配は、誰も得をしないということをようやく理解した二次世界大戦の戦勝国は、新たな秩序(国際連合の創設など)を創り出し、スリランカは再びスリランカ人の手に戻りました。

 英国と言えば、19世紀末中国が清王朝だった時代に、アヘンを売りつけていた商人側の味方をし、これを阻止しようとした清に戦争をしかけるという飛んでもない行動に出ました。私は学校でこのことを知ったとき、どうして政府側が悪の商人側の味方をするのか理解できませんでした。でも今は理解できます。大英帝国のエンジンは資本主義であり、その資本主義を駆使して帝国にも財をもたらす商人をきることはできなかったのです。

         👤      👤       👤       👤

 英国は今も昔の愚を繰り返しているように見えます。欧州の覇権を敗戦国のドイツに握られ癪にさわるのでしょうか。ある英国の老人がEU離脱は当然であると言い、EUを離脱しても英国は大丈夫だと断言していました。その理由を問われると、「英国は昔から偉大であり、今も偉大であるから」と断言しました。まだ、このような考えが英国に残っているのは少々憐れです。

       👤      👤      👤      👤      👤

 いずれにしても各国は軍事力によって資本主義を維持することは、不可能だと気付きました。ただ、だからと言って資本主義が衰退し他のシステムによって、その座を失うことはありませんでした。資本主義から得た資本を再投資することで成長を促し、資本主義を維持するスタイルに転換しただけです。

皮肉なことにアジアに侵攻した欧州諸国の現在の経済は、アジアの国々(特に中国やインドの)の経済成長に支えられています。英国を含む欧州各国が中国の習近平氏の顔色をうかがい、手厚くおもてなしをしているのは歴史の皮肉といえます。そして表向きは共産主義国家の中国も、資本主義を導入し市場の動向に一喜一憂しているのも歴史の皮肉です。

 

 ただ、この資本主義もいつか行き詰るでしょう。未来は明るいのでしょうか。ホモサピエンス史を書いたノア・ハラリ氏は、次なる著書「ホモ・デウス」で未来の予測を書き記しました。次回からは「ホモ・デウス」から我々の未来について考察することにします。