少年シニア 55歳から学ぶ理科

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№226📕欧州の支配のエンジンは科学そして技術

 お元気ですか。少年シニアです。帝国(おもに欧州)と宗教(おもにキリスト教)が、むすびついて、海を渡り物理的な暴力と宗教という精神の支配によって、世界のあちこちにあった多様な文化や人々を根こそぎ崩壊させたことは前回にふれたとおりです。この動きが本格化したのは、欧州の中での激烈な競争があったからです。欧州各国のいわゆる「自国ファースト」主義が、強い競争心となって少しでも自国が優位になるよう動き出したのです。

 

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

 

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 まず.世界に目をむけたのはスペインとポルトガルでした。コロンブスやマゼランなどの冒険家たちが、自然が豊かで、世界に自分たちよりテクノロジーの劣る、また集団のリーダーはいても国家組織ほどの結束力のない地域が多く存在することを国王に伝えたのです。特にイタリアに生まれたコロンブスは自らの野心を果たすため、隣国のポルトガルやスペインに航海のための資金提供を国王に働きかけました。その働きかけにのったのが、イザベル女王率いるスペインでした。

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 コロンブスの最大の貢献はアメリカ大陸という欧州にとっての金づるを発見したことでした。ですから欧州や米国ではコロンビアを英雄視している人たちもいるようです。日本人の私も小学生の時コロンブスは身の危険を顧みず海を渡り新大陸を発見した英雄として教えられた記憶があります。しかし、その実態を知れば知るほどコロンブスに対する嫌悪感が湧いてきました。コロンブスは先住民を奴隷化、物扱いし同じ人間として扱わず、私利私欲で動く倫理観のかけらもない人でした。(彼の肖像画を見るとそのような邪悪さがよく描かれています)

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 こうした未開人への差別の背景には自分たちが蓄積してきた科学技術への傲慢なほどの信仰があったように考えられます。帝国と宗教の物理的・精神的な支配の背景には、16世紀あたりから加速的に進んだ科学技術の存在があったのでした。

好奇心は大切です。コペルニクスガリレオなどのような天文学者は、たぐいまれな好奇心と想像力と知識で、宇宙の真理を発見し、決して地球はそれほど大した存在ではないことを命をかけて証明したのですから。

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 しかし、残念ながら彼らの知的好奇心から得られた真理、つまり自分たちは大きな宇宙の中では決して絶対的な存在ではないという発見は、人を謙虚にさせることにつながらず、キリスト教はその真理を受け入れず、逆に絶対的な存在になるための技術の開発に力を注ぐになりました。

よく科学技術というのは、セットで同じようなくくりで語られることが多いのですが、多くの科学者が科学と技術は別物だということを指摘しています。科学の目的は真理の追究であり、技術の目的は進歩と防衛です。あくまでも欧州の力の源は科学をベースにした技術でした。科学で得た知識を技術科し、武器や船舶をつくり、自らの行為を正当化するためにキリスト教会と連携しました。

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 当時のもう一つの大国中国は、その国力をもってすれば欧州同様、技術を開発・駆使して世界を支配できたかもしれません。しかし中国は自国の周辺だけにしか興味を示しませんでした。元の時代に東方まで遠征しその領土を拡大したものの、それはあくまでも遊牧民族の元という従来の中国とは異なる志向をもった部族の行為であり、その後、元が衰退すると中国は自分の周辺にのみ影響力を行使し、世界制覇のレースから遅れをとりました。逆に欧州での競争は激しく、その覇権はポルトガル・スペインからオランダ・ベルギーへ、その後は英国・フランスへと覇権がうつっていきました。

英国を中心に発展した産業革命はその中で必然的に発生したといえるでしょう。

 

しかし、そのエンジンは科学をベースとした技術だけではありませんでした。そこには資本主義というシステムが存在がありました。その話は次回に。