少年シニア 55歳から学ぶ理科

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№187📕人類進化と火・料理について

お元気ですか。少年シニアです。

前回、肉食によるヒトの脳の拡大についてふれましたが、本書の著者ランガス氏は

生肉ではそれだけの進化は望めず、火を使った料理こそがホモエレクトスの身体的

な躍進をうながしたという仮説を提示しています。

火の賜物―ヒトは料理で進化した

火の賜物―ヒトは料理で進化した

 

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 実は人類の祖先がいつから火を利用するようになったか、また食べ物に火を通すようになったかは明らかになっていません。洞窟などの炉の跡から25万年前には我々ホモサピエンスや親戚のネアンデルタール人が火を使っていたことが明らかだそうですが、それ以前となると諸説ありオーソライズされていません。そんな中、本書の著者のランガム氏は一気に200万年前まで遡って、最初のホモ属と言われているホモハビリスがホモエレクトスとして進化していくその原動力は火の使用であり料理であるとしました。

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 ホモエレクトスの身長は約160㌢、体重は50~60㌔。アウストラロピティクスより2周りも身体が大型化し脳の容量も現生人類の約7割にまで達していました。こうした身体の劇的な成長は、単なる肉食だけでは説明できず火を通すことでしか実現できないとランガムは主張するのです。生食だけでは必要なカロリーを得ることができても、身体を大きくすることはできないという実験データもしめしています。

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 食物に火を通すことの最大のメリットは、食物を柔らかくすることで消化を助けることにあります。家畜などの餌も調理済みのものを与えると早く身体が大きくなるそうです。消化しやすい食べ物は当然ながら消化器の負担を減らすので、人類は進化の過程でどんどん消化器を小型化・簡素化でき、その分を脳や身体の大型化に投資することができたというのです。

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 また肉だけでなく、肉と併せて食べていた植物についても、生ではなく火を通していたとランガム氏は主張しています。化石の比較からホモエレクトスの臼歯の表面積はホモハビリスのそれに比べ約2割小さくなっており、これも植物を火を通して食べたことによって大きな臼歯をもつ必要性が薄れたからだとしています。さらに火を通すことで食物に含まれる毒素を弱め食物の安全性を高めたことでしょう。

あの天才レオナルドダヴィンチも健康を維持するためには、よく噛みよく火の通った簡素なものを食べることだと言っています。また進化論を唱えたダーウィンも火の活用は、言語の発明を除けば人類最大の偉大な発明と言っているのも、こうした火の徳用をしっかり認識していたからでしょう。

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 そして火の効用は料理に留まりませんでした。木から降りた人類にとって火は肉食獣から身を守る安全装置となったことでしょう。また長距離走行を可能とした体毛の減少は逆に耐寒性を弱めましたが、それも火をおこすことで暖をとり解消できたでしょう。著者の主張は、十分な裏付けがあるとは言えず一つの仮説の域を越えるものではありませんが、最初に森林の中で自然的に火が発生したとき、われわれの祖先は恐れおののきながらも一方でこれは使えるぞという閃きをもった者がいて、そのことが人類の躍進に大きく貢献したことは間違いないでしょう。