少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№185📕ルーシーは永遠に不滅です。

お元気ですか。少年シニアです。

1974年に「ルーシー」(約318万年前に生きていたとされる二十歳前後の女性の化石)

エチオピアで発見されたとき、彼女は間違いなく古人類学界のアイドルでした。

しかしその後、ルーシーよりも古い時代に生きた初期人類の化石が続々と発見される

中で、相対的に彼女の注目度は落ちていきました。

もうルーシーは忘れさられる存在なのでしょうか。いえいえ、いまだに多くのことを

我々に教えてくれる彼女は、永遠のヒロインなのだということが、発見者の一人であ

るイブコパンが著したこの本書を読めばよくわかります。

 

ルーシーの膝―人類進化のシナリオ

ルーシーの膝―人類進化のシナリオ

 

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 なんといってもルーシーの素晴らしさは、ほぼ全身の骨格を我々の前にみせてくれたことです。その骨の数は52個。そのため背丈や体重といった外見のみならず、そのしぐさや動作までがイメージしやすかったのです。その後に発見された初期人類のトゥーマイやオロリン、ラミダスが一部の骨だけであったのとは雲泥の差です。

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 推定身長は約1.1~1.2m。推定体重は20~25㌔。足と手の比率は、現在の人類と比べると手の比率が高く脚が短い。腕・肩・肘・手首の関節が非常に頑丈で、このことから樹上生活をしていたことが推測されます。ただ、脊柱の湾曲や頭骨の構造と大後頭孔の位置と横幅が広い骨盤はルーシーが2足歩行していたことも示していました。

  とはいえ、現在の人間の膝の関節が2足歩行しやすいように強固で安定しているのに対して、ルーシーの膝の関節は不安定で決して強固とはいえないものでした。そのためルーシーは突っ立ったままの姿勢やいわんや直立不動の姿勢には長く耐えられなかったでしょう。歩くのもこれまた不安定で、がに股で歩いてはすぐにバランスを崩すような感じで歩いていたと思われます。

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 脳容積は400㏄未満(現在の人類の脳の4分の1の容量)で小さいものの、前頭葉頭頂葉が発達し後頭葉が後方に倒されていて、脳の構造上の変化が始まっていたことを示しています。また喉頭の下降は見受けられず、現在の人類のような複雑な声は出せませんでした。叫び声や声の抑揚や変調そして合図や身振りでコミュニケーションをはかっていたことでしょう。

また歯はエナメル質が厚く 犬歯は大きくなく、小臼歯や大臼歯は大きくありませんでした。おそらく根や茎などを食べていたのでしょう。まだ、狩りをする能力や道具をつくる能力はなかったでしょう。

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 このようにルーシーはその多くの数の骨片から他のどの化石よりも多くのことを我々に教えてくれましたが、なぜ、彼女は「ルーシー」と名付けられたのでしょうか。

 それは彼女を発見することを夢見てエチオピアの300万年近く前の地層を発掘していた人たちが、ビートルズの「ルーシー・インザスカイ・ウイズダイアモンズ」をかけながら、その苛酷な作業に従事していたからです。そして、その労苦は報われ人類の進化の謎の解明に一歩近づくことができたのです。

1924年にレイモンドダートによって南アフリカの約200万年前の地層からアウストラロピティクス属の化石が発掘されましたが、ルーシーの発見により彼らに近い種が活動していた地域はアフリカ東部にも及んでいたことが明らかになりました。その後も、アフリカ東部から人類の祖先の化石が続々と出土し、本書の著書でもあるイヴコパンの、人類のゆりかごがアフリカ東部であったとする「イーストサイド物語」仮説が、うちたてられることになります。

 ⇩ ルーシーは7:30あたりから登場します


人類のルーツへの旅① オロリン トゥーマイ アウストロラロピテクス