少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№181 📕ボノボの存在が示唆する人類の進化の行く末

お元気ですか。少年シニアです。

ボノボ」ってご存知ですか。ボノボはチンパンジーと同様アフリカ中央部に棲息する

類人猿で、チンパンジーの最も近縁者です。姿も大変似ていて一見チンパンジーと見分

けがつきません。このことがボノボの発見を遅らせました。ボノボが新種の類人猿とし

て発見されたのはわずか80年前のことなのです。

一番はっきりわかる違いは、チンパンジーの子供の顔は白く大人になると顔が黒くなる

のに対して、ボノボは子供の時から顔が黒いのです。ですから大人になるとさらに見分

けがつかなくなります。(身体の大きさはチンパンジーが幾分大きい)

ただ、彼らがつくりだす社会や各々のキャラクターにはかなり違いがあって、それが

我々人類を考える上でも大変示唆に富むものであることが、本書を読んでよくわかり

ました。

あなたはボノボ、それともチンパンジー? (朝日選書)

あなたはボノボ、それともチンパンジー? (朝日選書)

 

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 本書の帯にはこんな文章が書かれています。「セックスが好きで平和的なボノボ」「政治に長けて攻撃的なチンパンジー」。両者の違いを明らかにする上でボノボの平和志向は重要なキーワードになります。なわばりや雌をめぐるチンパンジーの抗争は、ときにリンチにまで発展する場合があるのに対して、ボノボではこうした過度な暴力に発展することはないというのです。チンパンジーでは優劣関係を確認しあうための様々な挨拶が発達していますが、ボノボは優劣のつかない性交渉を挨拶がわりに使います。(通称ホカホカと呼ぶ性器のこすりあいが主です)

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 また ボノボは遊び好きでとりわけ皆でやる遊びを好むと言います。一方チンパンジーは、子供の時こそよく遊びますが、大人になるにつれて遊びに関心をもたないようになります。恐らく遊ぶことにメリットがないからでしょう。遊んでエネルギーを消耗するくらいなら休んだ方がいいというのが、チンパンジーの論理。でもこれはチンパンジーに限らず哺乳類全般に言えることでしょう。しかしボノボは遊びを通して暴力を回避して秩序を維持しているようです。そういえば我々人類もボノボのように遊びに意味を見出して大人になっても遊びを続けますね。そういう意味では我々はボノボにより近い存在なのかもしれません。

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 また雄と雌の優劣がはっきりしないのもボノボの特徴で、雄が力で雌を従わせるという行為はほとんどありません。それどころか採食活動では明らかに雌の方が優位なのだそうです。時に食べている物を譲ったりして雌の歓心を買おうとしているのでしょう。ボノボは集団で和気あいあいと行動することが好きで、この点強者の中央集権志向のチンパンジーとは異なりますね。そしてこの平和的な集団を導いているのも雌のようで、ボノボの雄はどうも存在感が薄いのです。

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 さて我々ホモサピエンスの社会を考えると、チンパンジー的な要素とボノボ的な要素が共存しているように思います。社会だけでなく個人をみてもチンパンジーのような攻撃性とボノボのような平和志向が混ざり合っています。これは大変興味深いことです。ボノボの存在は、時に過剰な攻撃性や排他性をしめす人類の未来に一条の光を照らす存在のような気がしてなりません。

種の中でボノボへのシフト・融合がかなわぬ場合は、ホモサピエンスも攻撃的な種と平和志向の種に枝分かれして進化するストーリーもあるというのは、少々考えすぎでしょうか。

 


なんとも人間っぽい〔笑〕ボノボの行動