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少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№179📕素敵な進化の隣人,チンパンジーの知性

新第三紀

お元気ですか。少年シニアです。

生命はすべて不可思議なものですが、私が一番不可思議なのは我々人間の精神です。

基本的に生き物は自己の生命の維持と繁殖に心血を注ぐのに、どうして人間は、時に

自己の精神を守るために最も大切な生命でさえも投げ出したりすることがあるのか。

そうした心の進化を探るために、人類に最も近親関係にあるチンパンジーの研究を

長年続けられた方が松沢哲郎氏です。松沢氏の著書からチンパンジーについて考え

てみます。

進化の隣人 ヒトとチンパンジー (岩波新書)

進化の隣人 ヒトとチンパンジー (岩波新書)

 

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まずは、チンパンジーの脳力についてみてみましょう。

私もやったことがあるのですが、数字が映し出されてそれを数の若い順からクリックする脳トレ。私はせいぜい5つくらいの数字までしかできないのですが、松沢教授が世話をしているアイとその子供のアユムは、6つくらいの数字なら容易く正解します。訓練次第では記憶力について人間をしのぐものがあることがわかります。

また、色を表した漢字をみて正しい色のボードをあてることもできます。少し意地悪に赤色の字で「黒]と書いたものでも、ちゃんと黒のボードをあてることができます。

 


アイとアユム(日本語字幕版)

 

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 次に自己認識に関する脳力はどうでしょう。鏡に映っている自分の姿を自分と認識できるかどうか。イヌやネコ、類人猿以外の猿にその能力はないそうです。人間でさえも2歳くらいまではできません。チンパンジーはどうなんでしょうか。様々な実験からとンパンジーも人間同様、2歳以降では自己認識ができるようです。この点は、人間と同レベルと言えますね。

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また道具の利用や製作についてはどうでしょうか。木の枝を使ってシロアリをとるための棒をつくったり、葉っぱを折って舟型をつくりそこに水をためて飲むなど、簡単な道具ならいとも容易く利用します。また簡易ベッドも木の枝などを使ってつくります。そしてその技法は他のチンパンジーにも伝播していきます。

ただ、道具の利用や製作のレベルは人間のそれに比べれば、かなり低いと言わざるをえません。できる者が他者に教えるということもなく、できない者ができる者に教わろうともしません。またどんどん道具がブラッシュアップしてより精度の高いものになっていくこともありません。その点が人間との大きな違いです。

 


Tool Use

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 さらに他者の気持ちを想像して自他の違いを理解する力はどうでしょうか。人間はおよそ4〜5歳くらいになるとその力が身に着くそうですが、チンパンジーについては、まだその点が認められる証拠はまだなく、今後の実験・調査がまたれます。

いずれにしてもチンパンジーと人間には共通点もあり異なる面もあるということを、しっかり認識しておく必要があります。その共通点と相違点に、チンパンジーを通して「人間とは何か」という命題に迫る鍵がありそうです。

 

今回は主にチンパンジーの知性を中心にまとめましたが、次回は母子関係をもとに、彼らの精神性について考えてみたいと思います。