少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№177📕繋がるだけが社会性ではないことを教えてくれるオランウータン

お元気ですか。少年シニアです。

先日、私の別ブログ「少年シニア自由形で生きる」で、多摩動物公園の60歳になる

オランウータンのジプシーばあちゃんを紹介しました。

オランウータンは他のサルたちとくらべて非常にスローモーで動きも鈍いものの、

じっくり観察するとこれほどユーモラスで楽しい動物はいないと思います。

今回は、そんなオランウータンの生態について。

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  オランウータンは、樹上で生きる動物ではもっとも大きい動物です。オスで約70㌔前後、メスは45㌔程度。この重さで木の上を移動するために欠かせないのが、脚の約1.5倍の長さの腕です。指も長く枝がつかみやすいようにかぎ状にに曲がっています。ただ、テナガザルのような横に伸びる枝をつたっていくブラキエーション(うんていのような移動方法)ではなく、ツリーウエイという身体を縦に起こしながら幹をつかんでいく方法が主です。この体重なので枝から枝へとうつるブラキエーションでは落下するリスクがあまりに大きいのでしょう。

旭川動物園ではオラウータンがタワーにかかったロープ間を移動するスカイウォ―クが有名ですが、当初はブラキーエーションでの移動を想定してロープを1本だけにしていました。ところがこれだと彼らは渡ろうとしないのです。そこで、手で捕まる用と足で捕まる用の上下二本以上のロープを設置したところ、オラウータンたちは両手と両足を常に三か所以上つかむようにして渡りだしたとのことです。


オランウータン スカイウォーク 多摩動物公園 HD TZ7

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 さてオランウータンの知能はどの程度なのでしょうか。実は、オランウータンは主食の植物を、食べ物としてだけではなく薬草としても利用しているそうです。ハーブを自分の身体に塗って自己治療するそうで、先端の葉を数分噛んで葉と唾液を混ぜて石鹸のような液体をつくり、その泡を肩から手までにかけて塗りたくります。葉を液状にしたのは植物に含まれるサボニンという物質を引き出すためで、サボニンは抗菌剤や抗炎症剤として有用なのをオランウータンは知っているのでしょう。

それにしても、自分で薬に加工するスキルまでもっているとは恐るべし。


Attenborough: Amazing DIY Orangutans - BBC Earth

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 最後にオランウータンの社会性について。オランウータンは原猿類を除いた霊長類の中で最も単独性が強いと言われています。グルーミングや遊び、交尾などの社会交渉をおこなう頻度は全活動の2%にすぎません。野性のオランウータンが集団生活しない理由は、その生活環境にあるようで、アジア最大の果実食者であるオランウータンが集団でいるとすぐに食べつくしてしまうからと言われていいます。ほどよいスペースをなわばりにして、互いが共存できるようにしているのでしょう。

つねに近くにいてべたべたした関係を築くだけが社会性ではないことを、われわれ人間も経験上心得ています。同じくオランウータンも大人なのでしょう。動物園などでも実にほどよい関係を保ちながらも、各自の自由を尊重し適度にはなれる彼らの姿を何度もみました。何ともその姿が魅力的で、私はたびたび彼らに会いに行くのでした。