少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№171📕レムールの聖地マダガスカルの未来

お元気ですか。少年シニアです。

霊長類のルーツを語るときに、レムール(キツネザル類)は、忘れてはならない

存在です。レムールは、霊長類の原始の姿をとどめているからです。

そして、これらレムールの大半はアフリカ大陸ではなく、その東の片隅に位置する

マダガスカル」に棲息しています。

そして、最初はサル類と認定されずリス類とされていた「アイアイ」も、この

マダガスカルに棲息しています。

マダガスカル アイアイのすむ島

マダガスカル アイアイのすむ島

 

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   まず、アイアイの話しに入る前に、レムールの聖地ともいえる「マダガスカル」について確認しましょう。

マダガスカルは1億6千万年前にアフリカ大陸から分離しました。それ以前はマダガスカルゴンドワナ大陸(アフリカ大陸・マダガスカル・インド・南米大陸オセアニア大陸・南極大陸が一つになった超巨大大陸)の中心の核に位置していましたが、プレート運動によって切り離され、最終的にアフリカ大陸の東側に落ち着いたのです。

インド大陸が北上してユーラシア大陸に衝突したのと違い、マダガスカルは世界で第4位の面積(日本の約1.5倍)を誇る島になりました。そして超大陸の分離により、気候はより温暖湿潤化し、雨の恵みによって植物が育ち大森林地帯がマダガスカルに形成されました。

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 このことは、マダガスカルに生きる動物にとっても、大きな恵みをもたらしました。島として隔離されたことで、アフリカ大陸のような強力な大型肉食獣が存在せず小型の動物が、棲み分けして自分の生活エリアを確保することができたからです。

レムール類の先祖もこうした環境に守られながら、豊かな森林の樹上で果実やそれにむらがる昆虫などを捕まえて成長し、さらに棲息エリアを棲み分けることで、多様化していったのでした。

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 上野動物園には不忍池に隣接して「アイアイの住む森」が造られ、アイアイの他に、ワオキツネザルなどのレムール類や、マダガスカル食物連鎖の頂点にいるフォッサや、ホウシャガメなど、マダガスカルの固有種が多数展示されています。

実は本書の著者である島泰三氏は、これらの動物を多数マダガスカルから送り出してきた方で、本書でもお役所仕事に振り回されながらも様々な手段を駆使して動物たちを上野に送り出してきた経緯がユーモラスに書かれています。

 

↓ 上野動物園内のバオバブの木をバックに固まって暖をとるワオキツネザル

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↓ アイアイのお隣の部屋で好物のニンジンをたべるハイイロジェントルキツネザル

  野生では竹を主食にしているそうです

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 マダガスカル最強の肉食獣「フォッサ」

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 このようにマダガスカルは小宇宙の中で多様な生き物が共存する素晴らしい楽園のように見えますが、マダガスカルに棲息する生き物にとって、その未来は予断を許さないものがあります。その原因は何といっても森林の減少です。マダガスカルの豊かな森林は2000年前から入植した人類により農耕地や牧草地として焼き払われて今に到っているのです。

そのためこれまで多くの固有種が絶滅しました。アイアイの3倍もの体重があったジャイアントアイアイをはじめ2種が絶滅しました。以前はもっともっと多様で豊かな生命のドラマが展開されていたのです。

2000年前ではあっても、この小宇宙にやってきた最初の人間たちがすでに農耕文化をもっていたことは、マダガスカルの自然にとってある意味不運でした。

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 しかし、ここにきてマダガスカルの豊かな自然の保護に力を入れようとする活動が広がってきました。経済だけを優先させても明るい未来は開けないことに気付いた人間たちが増えてきたのです。本書の島泰三氏は、私財も投じつつ現地の人々や政府の力をうまく活用しながらマナサムディー山地に霊長類センターを建て、アンジアマンギラ―ナの森14380ヘクタールを自然保護区とすることに成功しました。今は野生のアイアイを守るためのアイアイファンドの設立者として活動されているとのことです。

 

少し長くなりましたが、レモール類とはまた異なるオンリー1的存在のアイアイの生態については次回にまとめます。