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少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№163📕象の近縁ジュゴンは平和主義者

お元気ですか。少年シニアです。

イルカやクジラ同様、一旦上陸したものの再び海に戻っていった動物に「ジュゴン」や

マナティー」ら海牛類がいます。牛という漢字が使われていますが、そのご先祖さま

は牛とは接点はなく、象などの長鼻目が近縁だそうです。主食は象同様草で、海に棲む

哺乳類では唯一海牛類だけが草食です。またムーミンに似た何ともユーモラスな顔を

しているので、結構人気がある生き物です。今回は海牛類のルーツや生態を記します。

 

ジュゴン 海の暮らし、人とのかかわり (平凡社新書)

ジュゴン 海の暮らし、人とのかかわり (平凡社新書)

 

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 ジュゴンは約5500万年前の陸上草食獣がそのルーツで、当初は豚くらいの大きさで汽水域や海岸に棲息する水陸両生の生物だったと言われています。それが約3500万年前には前肢・後肢が完全に退化して現在のジュゴンに似た体型となって完全に水の環境へ適応します。その後、太平洋やインド洋で進化をとげたジュゴンのグループと大西洋を挟んでアメリカとアフリカ沿岸に生息するマナティーのグループに分かれて進化していきました。

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 ジュゴンのグループは更に寒冷水域に適応したステラカイギュウとジュゴンに枝分かれしましたが、ステラカイギュウは、⒙世紀後半に人間の乱獲によって絶滅してしまいました。人間を恐れなかったことが仇になったと言われています。

実はジュゴンマナティーも人間への警戒心が弱く、特にマナティーは自ら近づいてくることもあるそうです。マナティーは冬になって海水温度が低くなると水温が高い淡水領域にも進入してくるので、人と接触する機会があることも関係しているのかもしれません。

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 彼らは400㌔もの巨体なので、その身体を維持するために自分の体重の1割ほどの量の海草を食べる必要があり、そのため多くの時間を海草を食べることにかけています。通常はあまり移動することはありませんが、海草を食べつくして新たな海草を求める時や水温が変動したときは移動します。ただ平均時速4キロ程度のゆったりした移動で、このあたりはクジラやイルカとはスピード感が違います。

この巨体のせいか、ジュゴンを狙う生き物もそうおらず、50〜60歳まで生きるご長寿動物と言えます。(いま伊豆熱川のワニ園にいるマナティーも50歳以上とか)

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 ジュゴンマナティーは草食ということや、天敵に狙われる機会もすくないためか非常に温厚な生き方をしています。鳥羽水族館にいるセレナという雌のジュゴンは、同じ水槽にいるウミガメのカメ吉ととても仲が良いそうで、じゃれあっている泳いでいる姿がユーチューブにも多くアップされています。

 


鳥羽水族館・ジュゴンのセレナとウミガメのカメ吉

 

 海草を主食とするジュゴンマナティーは、浅瀬の沿岸沿いを遊泳することが多いため、網や船のスクリューで身体を傷つけたりする場合もあるといいます。またいま基地の移転計画が進んでいる辺野古近海には数少ないジュゴンが生息しており、建設がジュゴンの生息に与える影響が懸念されています。

ジュゴンが海の中でこれからも穏やかに生き続けていくために人間も様々な知恵を出して共存共栄をはかっていければいけないと思います。

 
ジュゴンが生きる沖縄の海


絶滅危惧種のジュゴン Dugong of the endangered species in Okinawa