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少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№162📕コビトカバは本当にコビトか???

お元気ですか。少年シニアです。

前回・前々回でイルカを含めたクジラのルーツや脳力について紹介しました。

またクジラの祖先は、以前は陸で4つ足で歩行していたことも記しました。

では現存する生き物で、クジラと最も近縁なの生き物はなんでしょうか。

様々な議論を経て現在は、同じ偶蹄類のカバが最も近縁で、クジラとカバの共通祖先

から双方に枝分かれしたのではないかと言われています。

そして、現存するカバの中で最も古い時代から生きていたのが、世界4大珍獣のひと

つである「コビトカバ」です。本日はその「コビトカバ」のお話しです。

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   コビトカバが初めて日本にやってきたのは1960年で、展示されたのは上野動物園でした。後にカバ園長として有名になった西山氏が飼育を担当しました。

すでにカバの飼育係としてノウハウを蓄積していた西山氏ですが、本書によると通常のカバとは異なる生態もいくらかあったと言います。

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 まず一番違うのはコビトカバの世界は「かかあ天下」であるということ。普通のカバは力のある雄を中心に群れを形成するので雄が結構いばっているそうですが、コビトカバは群れをを形成せず単独もしくは母子での生活が主体なので、雌の方が主導権をにぎっているそうです。

また、通常のカバは水の中で授乳する者と陸の上で授乳する者がいるそうですが、コビトカバの場合は、すべて水の中で授乳します。なぜ、身体が不安定になりがちな水の中で授乳するのかは未だに謎のようですが、水の中の方が敵に狙われにくいといことなのでしょうか。

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 共通点は、通常のカバもコビトカバも自分の排泄物をまき散らして自分のなわばりを宣言すること。飼育係りだった西山氏は、当初カバの厩舎の壁に排泄物がかかるくらいまき散らすので、下痢だと勘違いしてその都度壁を清掃したそうですが、きれいにすると余計に排泄物をまき散らすので、これは自分のなわばりを主張しているのだと、あとになって気づいたと言います。

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 面白いのは、動物園のコビトカバの雌と雄がまったく交わろうとせず繁殖の目途がつかなかったときに、相方の排泄物をそっとおいてやったところ、その匂いから双方が発情して、見事に合体して赤ちゃんを産んだそうです。匂いがとりもつ縁というのでしょうか。

また、出産後母カバの乳が出ず赤ちゃんカバが大ピンチに陥ったとき、母カバが排泄して、何と赤ちゃんカバがそれを待っていたかのようにして食べた逸話が本書では紹介されています。但し、これは一度きりのことでその後はそのようなことはないとのこと。母カバの排泄物には母カバの身体にあるバクテリアなどが入り込んでいるので、子どもに同様の免疫をもたせるためにそのようなことがあるのかもしれないと著者は記していますが、その真実は謎です。

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 コビトカバは、同じ珍獣と言われるパンダやオカピに比べると、あまり人気がありません。コビトと言っても200㌔はあるのでコビトには見えないことや、あまり活発に動かないからかもしれません。もしコビトカバの体重が20㌔ぐらいでちょろちょろ動いていたら、もっと人気がでたかもしれません。上野動物園に行ったときも、コビトカバの厩舎は少々淋しい状況でした。

でも本書を読むと、母カバのこどもに対する愛情はきめ細かいものがあり胸をうたれるような逸話もあります。それに赤ちゃんが何とも可愛い!

またコビトカバに会いに上野に行こうと思っています。

 

↓ 母親としての細やかな愛情を感じます。


コビトカバの赤ちゃん、ママと一緒に初めての水浴び 豪 Hippo calf in Melbourne Zoo makes a splash