少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№160📕地球史上最大の生物と共生できる幸せ

お元気ですか。少年シニアです。

今年3月 小笠原諸島を旅し、念願のホエールウオッチングを愉しみました。

荒波の中を超然と泳ぐザトウクジラを目の当たりにして、その巨大さに圧倒

され、ただただ感動しました。

46億年の地球の歴史史上最大の生き物はクジラです。クジラの中で最も巨体の

シロナガスクジラの体長は約25m 体重は百数十トンにもなります。

この重さはさすがの恐竜も太刀打ちできません。我々は地球史上最大の生き物

と同じ時代に生きるという奇跡的な幸運に巡り会っているのです

                  🐳

 クジラは偶数の指をもつ偶蹄類の生き物が進化する中で誕生したと言われています。約5500万年前、パキスタンの地層からクジラの先祖とみられる化石が出土し、パキケタスと名付けられました。このエリアは当時のチラス海の沿岸地帯にあたります。

化石には、クジラの身体の特徴を残しながらも、前肢や後肢が残っていて、呼吸するための鼻の穴も前方にあり、まだ陸上生活の名残を色濃く残していました。身体の大きさはオオカミぐらいだったようです。

 (ウィキペディアより)

              🐳           🐳

 その500万年後、同じくパキスタンの地層から出た化石は、さらにクジラの先祖が陸上から水生生活へとシフトしていたことを物語っていました。これがアンプロケタスです。

 Ambulocetus natans(生態復元想像図)

 (ウィキペディアより)

 

いまのクジラ同様外耳はなく、発達した後肢の指の間には水かきがついています。身体も現在のアシカほどの大きさに成長し、淡水領域ではワニと競合していたと思われます。しかし、次第に強力なライバルがいる淡水領域からは駆逐され、競合関係のない海へと進出したのでしょう。その中で四肢は完全に消滅し、前肢は大きな鰭になりました。そして鼻の穴も次第に前から上の方に移り、現在のように頭上にある噴気孔からの潮ふきによって呼吸する形態へと進化していきました。

           🐳     🐳     🐳

 その後クジラは身体の大型化と多様化で、海の中の食物連鎖の頂点にたつようになりました。現在クジラはおよそ80種で、大きくは歯で捕食物を噛み砕くハクジラ類と、歯がなく上顎にぶら下がっているヒゲのようなもので動物プランクトンや小魚をこしとるヒゲクジラ類にわかれます。

ちなみにイルカはハクジラ類で、小型のハクジラをイルカと呼ぶのです。ハクジラ類の中で最も大きいのはマッコウクジラですが、最も獰猛なのはシャチです。ハクジラ類は概ね高い社会性をもち、狩りもチームを組んで行うことが多いと言います。

シャチは同じクジラを狩ることもあります。特に子クジラは恰好のターゲットで、チームを組んで母クジラと子クジラを分断させて、母クジラから離れてしまった子クジラを襲うのです。

           🐳    🐳    🐳    🐳

 一方、ヒゲクジラ類は、シロナガスクジラやザトウクジラに代表されるような大型種が多く、群れは形成せず母子で行動します。そして夏には餌が豊富にある高緯度で暮らしますが、冬になると餌となる動物プランクトンの密度が減少して海水温も低下するなど、繁殖には不適切な環境となるため温かい低緯度の海域に移動します。その距離は片道1万㌔という大移動です。私が3月中旬に小笠原諸島で見たザトウクジラも繁殖のためベーリング海から南下してきたものだったのです。

          🐳   🐳   🐳   🐳   🐳

 ホエールウォッチングでは船長さんがザトウクジラの鳴き声を聞かせてくれました。クジラはこうした鳴き声で自分の居場所を教え、他のクジラとコミュニケーションをとっているのです。繁殖期の声の主はおもに雄ですが、この鳴き声は、雌をひきつけるためのものだという説や、ライバルになる雄の間に一定の距離や空間をたもつためだという説があり、まだはっきりはしていません。

次回は、クジラ類の頭の良さについての お話しをします。

 

 🐳の鳴き声 同じ海域のクジラは同じように鳴くそうです。

  また年によって変わりその年の流行があるとか。


Whale Song