少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№153📕空飛ぶナマケモノは我ら霊長類の一番の近縁

お元気ですか。少年シニアです。我が霊長類の話しは追々していくとして

今回は、霊長類に最も近い生き物、ヒヨケザルの話をします。

なまえにサルとついていますが、実際はサルの仲間ではなく、また同じように

滑空するムササビの仲間でもありません。

分類上も、この動物だけのために「皮翼目」というグループが設定されました。

ボルネオやスマトラ、フィリピンにだけ生息するオンリーワン的な生き物です。

空を飛ぶサル?ヒヨケザル

空を飛ぶサル?ヒヨケザル

 

                 🌳        

 ともに樹上での生活をしながら、指を巧みに使って樹木をすばやく動き周るサルたちと、ほとんど身体を動かさず必要に迫られたときにのみ滑空するヒヨケザルは、約8600万年前にその共通祖先から袂を分かち、異なる生き方を選択して今に到ったと言われています。いずれも進化するその方向には、身を守り繁殖にあたって大きなメリットがあったのでしょう。

             🌳      🌳

 ヒヨケザルが棲む熱帯の森は、高い木と木の間が離れています。こうした環境で木から木へ移るためのは、時に地上に降りてまた樹木に登らなければなりません。これは身体の小さな弱小の生き物にとって天敵に狙われるリスクが大きくなります。

そこでヒヨケザルの先祖は手足や尾の間に飛膜をもつことで滑空能力を身に着け、地上におりるリスクを回避する方向に進化したのです。

            🌳     🌳     🌳

 ヒヨケザルの体長は約40センチ こぶりな猫ぐらいの大きさです。夜行性で昼間はココヤシの木などにじっとぶら下がり殆ど動きません。そんなことから「空飛ぶナマケモノ]という学者もいるそうです。

ただ滑空する能力を維持するために、身体を軽くしておかなければならず、あまり食べることができません。そのため無駄なエネルギーを使うことが許されず、昼間は茂みの中で、木の姿に擬態して身を潜めます。体長の小さいヒヨケザルはまずはガードを固めることが何より重要なのです。

          🌳    🌳    🌳    🌳

 さて滑空するとひとくちに言いますが、どれぐらいの距離を飛ぶのでしょうか。本書によれば、何と136mもの距離を飛ぶそうです。後脚と尾も皮膜でつながっており、広げた形は尾の部分の三角形が加わった五角形になります。三角形の尾部は飛行中ちょうど団扇で煽ぐように上下に振られ、さらにそれが飛行の推進力となるのです

この飛行力により天敵から身を守ること、そして広いエリアに食糧を求めることが可能となり、小さな身体でこれまで生き続けてきたのです。

        🌳   🌳   🌳   🌳   🌳

 ただ熱帯の森林に特殊化したヒヨケザルの今後は安泰とは言えません。何といっても最大のリスクは、熱帯林の減少でしょう。人間の経済活動や環境意識が、今後のヒヨケザルの生存に大きくかかわっていることを我々は認識する必要があります。

 

 

 ↓ ヒヨケザルに小型カメラをつけて彼らの目線で飛行状況をとらえています


National Geographic Live! - It's a Bird, It's a Plane ... It's a Colugo?