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少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№146📕女王バチもつらいよ 年老いて新居探し

 お元気ですか。少年シニアです。

前回は寄生蜂について触れましたが、その後ミツバチは他の昆虫を狩る「狩りバチ」

や、花の蜜を吸う「ハナバチ」に進化していきます。ミツバチもハナバチの一種で

すが、実はハナバチの大半が単独で生活するのに対し、ミツバチはアリ同様高度な

社会性をもちコロニーをつくっていきます。コロニーこそミツバチの生命を維持拡

大していく肝であり、そのためには自らのリストラも辞さないのです。

ミツバチの会議: なぜ常に最良の意思決定ができるのか

ミツバチの会議: なぜ常に最良の意思決定ができるのか

 

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 ミツバチというと、女王を中心にした中央集権体制でコロニーが維持発展されると思われがちですが、その実態は全く異なります。

女王は単に子供を産むだけで、このコロニーをマネジメントするのは、女王の姉妹や娘である多くの働き蜂です。

ただ、働き蜂の中にリーダーがいるわけではありません。彼らは化学物質から発生するフェロモンによって自分のやるべきことをやっているだけなのです。あたかも個体を形成する細胞が誰の指示をうけるわけでなく動いているかのように。

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 厳しい冬を越したミツバチのコロニーでは初夏になると「分蜂」(巣別れ)という儀式がスタートします。旧女王と一万匹ほどの働き蜂が、新しいコロニーづくりにむけて元の巣から飛び立つのです。

一方、元の巣に残った働き蜂は、新女王を育て元のコロニーを永続させます。これはミツバチに課せられた宿命であり、蜂の増加にともない手狭になってしまったコロニーを維持し皆が生残るためのセルフリストラと言えるでしょう。

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 旧女王は分蜂の時期が近づくと女王らしからぬ仕打ちをうけるようになります。何と働き蜂から支給されてきた餌が減らされるのです。そのうえ、働き蜂からこずかれてコロニーの中を走らされるようになります。今まで甲斐甲斐しく世話してくれていたお世話係りから酷い仕打ちをうけることで、体重が25%ほど落ちるのだそうです。

しかしこのことで女王は分蜂を前にして飛べるタイトな身体になるのです。これも分蜂にそなえた大切な準備行動なのです。

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 そして春から初夏になると分蜂がはじまります。できる限りはやく飛びたち新たな巣を見つけ出さなければならないのです。どんな巣でもいいというわけにはいきません。冬眠せず自己発熱によって越冬するミツバチにとっては、それに相応しい大きさ広さや位置の巣でなければいけないのです。

実際、適切な巣を適切な時期にみつけられることができなかったため、冬を越せず生き残れないコロニーは75%以上にも及ぶと言います。

  


数万匹のミツバチ 女王の巣立ち(巣別れ)

 

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 この新居探しという重要課題を担うは、働き蜂の中で多くの知識と経験をもつ古参の蜂たちです。1万匹にも及ぶ分蜂団から選ばれた数百の探索蜂が一斉に、新居を見つけるべく各方向に飛んでいくのです。

そして探索蜂からいくつかの候補地が提示され、最終的に一つの候補地に絞り込まれ、分蜂が実行されるのですが、新居の決定は高度な社会性をもつミツバチならではの驚くべき手順で行われていました。

その話は次回にまた。