少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№145📕蜘蛛を手玉にとるエイリアン・クロヒメバチ

 お元気ですか。少年シニアです。

被子植物の受粉の最大の功労者であるハチ。でもハチは最初から花の蜜を餌にしてい

たわけではありません。最初は幼虫が葉を食べるハバチやキバチ類が誕生しました。

そしてその次に登場したのが、今回の主役である寄生蜂です、キバチ類は幼虫が木を

食べるため木に卵を産むのですが、木の中にいた昆虫に誤って産卵したことから昆虫

に寄生することを覚え、寄生蜂へ進化するものがあらわれたと考えられています。

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 本来寄生動物というのは、ノミやダニのように寄主よりかなり小さくて寄生によって寄主を殺すことはありません。しかし、恐ろしいことにクモヒメバチは寄主であるクモを殺してしまうのです。そもそも普通の昆虫ならいざしらずクモという手強い相手に、どうして寄生するようになったのでしょうか。事実、卵を産みつけることに失敗してクモに逆に食べられてしまうものもいるようです。

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 そもそもハチの寄生には大きく殺傷型と飼い殺し型があるそうです。殺傷型というのは産卵時に寄主を麻酔によって永続的に動けなくしてまうというもので、飼い殺し型というのは幼虫の成長が終わるまで寄主を生かしておくというタイプ。

クモヒメバチは飼い殺し型で、クモに接近し麻酔をかけると素早く産卵管をクモの身体にさしこみ卵を産みつけます。程なくクモは目覚めますが卵をうみつけられたことはつゆ知らず卵を背中に乗せたままこれまでの生活に戻っていきます。

 孵化した幼虫は、クモの体液を吸いながらしばらくは身体を小さくして寄生し続けますが、クモの成長にあわせて最後にはクモ並みの大きさになってクモの体液を吸尽くし、クモを殺してしまうのだそうです。あに恐ろしやクモヒメバチ

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 しかし先述したとおりクモはなかなかの難敵。クモに近づくのもかなりリスクを伴いますが、どうやって接近を試みるのでしょうか。

本書によれば、いくつかのパターンがあるようですが、地面でもがき苦しむふりをして餌と思わせて近づいてきたところを狙って針をさしこむ、という役者顔負けの者もいるようです。またクモの釣り糸にわざと止まって、クモが糸を伝って降りてくるところを狙う者も。つまりクモヒメバチはちゃんとクモの糸の構造を熟知した上で、行動しているということになります。

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 他の昆虫や蜘蛛に卵を産み付けることで、寄主が生き延びれば、幼虫の餌は確実に保証されます。しかし逆に言えば寄主が弱くて捕食者にすぐやられてしまえば卵も孵化できず命を落としてしまいます。したがって虫の世界では強者でもある蜘蛛に寄生することで、その点を回避しているのかもしれません。

虫の世界もなかなか大変です。

 

 クモヒメバチの幼虫が蜘蛛の動きを支配。この後、幼虫は蜘蛛を殺し繭をつくり成虫になります。


Manipulated spider forced to express fibrous decoration / クモヒメバチに操作されて装飾糸を発現させられるギンメッキゴミグモ