少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№143📕被子植物は昆虫と人を虜にする地球の支配者

お元気ですか。少年シニアです。

いま地球で最も成功している生物は何でしょうか。人類と言いたいところですが、

どうも人類というのは危なっかしい。精神があり時に強欲なため、合理的な判断が

できず無益なことをやって、あげくの果てに自滅してしまいかねない。

客観的に見れば、最も繁栄しているのは動物では昆虫、植物は被子植物でしょう。

昆虫は、動物の種の3分の2(約100万種)をしめ、その数も人間の数億倍にもなる

と言われています。一方被子植物は植物の種の9割以上(約28万種)をしめます。

この両雄の成功のカギは、互いを敵とみなさず盟友として協力関係を結んだことでし

ょう。とりわけ被子植物の昆虫の抱き込み戦略は計算されつくしたものでした。

花のふしぎ100 (サイエンス・アイ新書)

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花はなぜ咲くの? (植物まるかじり叢書 (3))

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 花は、本来生殖器官ですが、昆虫をおびき寄せる装置でもあります。時にはその鮮やかな色で、時には誘導路をしめす絵柄で、また時には香しい匂いで昆虫をおびき寄せます。蜜を差し出すかわりにたっぷり花粉をつけて移動してもらい、同種の他の花のめしべに受粉してもらわなければなりません。

いざとなれば自家受精しますが、基本的には自分以外の同種の花に受精することで、より強い子孫を残したいのです。そのため同種の花は一斉に開花します。そうしなければ、昆虫が花粉をつけて飛んでくれても受粉する花が咲いていないと受精しようがないからです。中には開花する時間帯まで揃えて受粉の可能性を高めるものもいます。

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 植物は他にも自家受精を避けるために様々な工夫を施しています。めしべの柱頭がおしべよりも高い位置にあるのもそうですね。またモクレンのようにめしべとおしべが成熟する時期をずらして自家受精を防ぐものや、アブラナ科のように自分の花粉が自分のめしべについた場合は花粉管を伸ばさず受粉はしても受精しないようにしている植物もいます。また金木犀など最初から雄株と雌株をわけて自家受精しようにもできなくしているものもあります。

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 昆虫の共生化と言っても、被子植物からすると昆虫によって貢献度には大きな差があるようです。たとえば花の蜜だけすってしまう蝶はあまりお得意さんとは言えません。その点、ハナバチは植物の進化にあわせて、自らの身体も進化させてきただけあって、被子植物にとっては最高のパートナーです。ハナバチは自らの食糧としてだけではなく、巣で待っている幼虫に与えるため、必ず花粉を持ち帰ってくれるからです。

 被子植物からすれば、花粉を運んでくれるから蜜を与えているわけなので、蜜だけ吸っておさらばするものには、花筒の長さを変えるなどして、蜜を与えないようにしてしまいます。共生と言ってもそこにはギブ&テイクの緊張関係が存在するのです。

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 被子植物にとって昆虫との共生化と並行して進めているのが、人類との共生化でしょう。昆虫へは食い物で釣りますが、人類に対しては精神的な満足を提供させることで、人類自らに種を蒔かせて繁殖させています。人類は自らが花を植えて管理している気になっていますが、実は花に操られているのかもしれません。

どうも被子植物は人類より一枚も二枚も上手のようです。

 

 

 

 ↓昆虫写真家「海野和男」さんの動画レクチャーです。


昆虫と植物 後編 Insects & Plants Part2