少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№139📕働かないアリが長期の繁栄を約束する

お元気ですか。少年シニアです。

子供の頃「アリとキリギリス」というイソップ物語で、アリがいかに働き者かという

ことを教わりました。確かに観察していてもアリは殆どじっとしていることがなく、

何かをしています。身体を動かすとすぐに疲れて休んでしまう自分を恥じました。

しかし本書を読んでそれは誤解で、かなりの数の働かないアリが存在することを知りか

一気に気持ちが楽になりました(笑) 

働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)

働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)

 

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 著者によれば、7割ほどのアリは巣の中で何もしないそうで、中には生まれてから死ぬまで何もしないというとんでもないアリもいるらしいのです。

巣の中では卵の世話などひと時も手を抜けない重要な仕事があります。菌やカビなどが繁殖しないよう卵の表面を舐め続けたり、巣の中を清潔に維持するための仕事は山ほどあるのですが、それらの仕事は3割のアリの力に委ねられています。

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 ちなみに巣の中にいるアリは若いアリで、年老いたアリは外で食料を確保したり外敵を追いやるという非常にリスキーな仕事が与えられています。リスクのある仕事は生い先短い年寄りにしてもらった方がいいという非常に冷徹クールな判断によるもので、アリのお年寄りは大変なのです。

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 さて話を戻してなぜ働かないアリが7割も存在しているのか、著者の弁によれば働かないアリは別に働きたくないというわけではなく、刺激に対する反応が鈍いため職にありつけないそうです。アリにもそれぞれ個性があって、何らかの刺激があると素早く反応するものとそうでないものにわかれます。この腰の軽さは遺伝による要素が強く自身の意思ではどうにもなりません。

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 でもアリの世界にも働き過ぎで過労死するものもいて要員の補充が必要になったり、外的な要因で巣が崩れたりして、やらねばならぬ仕事が増えるという不測の事態も発生します。そんなときに平時では働かなかった7割のアリの出番となります。

つまり働かないアリは、非常時用の貴重な戦力なわけで、こうした要員があとに控えているので、アリの世界は維持されているのです。組織には余裕が必要なのです。

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 働かないということではオオズアリの兵隊アリもそうで、彼らは他のグループと争いが生じると戦わず真っ先に逃げるそうなのです。彼らの仕事は餌を適度な大きさに噛み砕くことなので、闘いは通常の小型アリに任せます。兵隊アリは一般の働きアリより身体が大きく育て上げるのにコストがかかっているので、闘い死んでしまうのは得策ではないという判断が働いているようです。

怜悧な機能分担と余裕のある組織、これがアリの長期的な繁栄を約束しているのです。アリの世界の方が人間様の世界より戦略的と言えるかもしれませんね。

 

*本ブログで今年は終了。来年も引き続きよろしくお願いします。