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少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

科学的な考え方について【意図的宇宙飛来説】

お元気ですか。少年シニアです。

前回で古生代を終え、いよいよ中生代のお話となりますが、その前に、少し足をとめ

て「生命」や「科学」について考えてみたいと思います。急ぐ旅でもありませんので。

生命―この宇宙なるもの

生命―この宇宙なるもの

 

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   生命の進化において、最も重大な出来事は、シアノバクテリアの登場だと思います。というのも、この生物が地球を生命が成長・進化しやすい環境に変えたからです。シアノバクテリアは地球で初めて光合成した生物で、大きなエネルギーを獲得できる酸素を地球に提供。またオゾン層も形成することで生命に有害な放射線を遮りました。約27億年前のことだと言われています。

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ただ、なぜシアノバクテリアのような光合成をする生物が発生したのでしょう。それまでの地球は酸素が乏しく生物も酸素を嫌う嫌気的な細菌だけでした。シアノバクテリアはこれらの細菌から進化したのでしょうか。でも彼らが嫌う酸素を排出する生物へと進化するでしょうか。どうもありえない、そんなことを考えていたら、DNAの2重らせん構造を明らかにしてノーベル賞をとったフランシス・クリックが唱える「生物宇宙飛来説」を思い出しました。

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 生命の起源については,大きく原始地球内で生じたという説と、宇宙から降り注いできたという説にわかれます。優勢なのは地球内、それも深海の熱水孔近くで発生したという説ですが、クリックは地球で生命が発生するハードルは極めて高いとし、約40億年前に、現在の人類以上の高度な社会を築いた者たちが、将来の自分たち生命の維持のためロケットにバクテリアを詰め込んで地球に送り込んだとする荒唐無稽ともいえる意図的宇宙飛来説を唱えました。

バクテリアなら小さな容積に大量搭載することができる。酸素のない環境にも適応するし凍結して十分な低温で保管すれば1万年程度の長旅なら生き抜くことができる。これが地球に落下するようプログラムされ約40億年前の原始地球にばらまかれたというのがクリックの考えです。

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 クリックの説の信憑説はともかくとして、もし宇宙から生命が飛来したとすれば、それは地球での最初の生命体ではなく、このシアノバクテリアではないかと私は思いました。であれば、それまでの生命体との連続性がなくても問題ないし、そもそも宇宙人が将来的に地球に移住するなら、地球を酸素で満たす必要があるからです。

生命の起源については実証が困難なため、誰もが好きなことを言えるわけですが、こんなことを考えながら科学知識を広げていくのは実に楽しいものですね。

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 クリックは意図的宇宙飛来説の根拠を「生命」という著書にまとめ世に発信したのですが、実は本書の目的は生命の起源の問題を解くことではなく、この問題の中にある様々な分野の科学の考え方を読者に伝えることであるといっています。生命起源の問題には宇宙論天文学から化学・生物学に至る多くの学問がかかわっているので、科学の考え方を知るには格好の材料なのだと言うのです。

 そして、クリックは事を急いではいけないと言います。時が経つにつれて知識が増え、より難しい仕事に取り組めるに違いないのに、どうして急ぐ必要があるのかと。訳者の中村桂子氏が指摘する通り、クリックにとっては自然の摂理を解き明かすことは、人類にとって最も重要なテーマであるとともに、最も知的興奮を味わえるゲームなのでした。だから固定観念にとらわれしかめっ面で時間に追われて取り組むのではなく、様々な視点から仮説をたてて楽しみながらじっくりと取り組むことが大切だと強調します。コペルニクスの地動説も、ダーウィンの進化論もこうした思考・行動様式から生まれてきたのかもしれません。