少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№109📕種は熟慮断行で自分の使命を果たす

 お元気ですか。少年シニアです。

前回、種子の獲得により植物は乾燥した大地を生き抜けるようになったことに触れ

ました。種の役割は、厳しい環境に耐えることですが、今回はそれだけではなく、

事前のリスクを回避するために、如何に種がより知恵を絞っているかに迫りたいと

思います。

 

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 1951年、弥生時代の遺跡からハスの種が3粒でてきました。2000年も前の種です。これが驚くなかれ、あらためて地表に蒔いたら発芽して花を咲かせたというのです。日本だけの話しではありません。何と、あのツターカーメンの埋葬場所から3000年前のえんどうまめの種が発掘され、こちらも発芽したのです。種は、発芽のチャンスを待って休眠し、見事チャンスを生かし切ったのです。このように不都合な環境の時は休眠して待てる我慢強さこそ、種子植物の強みです。

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 種子の発芽の三大条件は、「適度な温度」「水分」と「空気」です。光は・・・と思われるでしょうが、実は光が当たらない真っ暗な場所でも発芽する植物は結構あるので絶対条件とは言えないそうです。しかし、そうは言っても光がないと発芽しない植物の方が多く、発芽後の成長もどれだけ光合成して栄養を蓄えれるかにかかっているので、光の当たり具合は、生存上大変重要なポイントになります。

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 そのため、今自分が居る場の地表面の温度がどうなのかを、種は敏感にかぎとって発芽すべきかなかを地中で検討しているらしいのです。そして単に暖かくなったから発芽しよう、などというアバウトな決断はしません。まず寒さをじっと認識して今が冬であることを確認する。そして暖かくなって春になったと判断してようやく発芽するのだそうです。暖かさだけを基準にするなら秋と春は同じ程度です。でも間違えて秋に発芽してしまうと、その後にやってくる冬に枯れてしまう。いったん寒さを確認することが種にとって重要なのです。

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 あと種は、自分が今居る場所は発芽が可能かどうかの確認も怠りません。自分は地中奥にいるのか、それとも地表近くにいるのかを温度変化によってかぎ分けます。地表近くだと昼は温かくても夜になると温度が下がります。ところが、地中奥にいると、昼夜の寒暖差が殆どない、それを種は感じ取って、自分の位置を確認し地中奥にいると判断すれば、決して発芽しようとはしません。

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 更に驚くべきは、地表面の状態確認。光を十分浴びれる場所かどうか。植物は光合成の過程で赤色・青色光を好んで吸収し、遠赤色光は吸収しないそうです。そうするとその下の地面には、遠赤線が降り注ぎ赤色・青色光は殆ど届かなくなります。

地中の種は、遠赤色光が降り注いでいるということは、発芽してもそこは既にかなりの植物が繁殖しており、自分が発芽しても光を吸収することはできないと考え、それであれば休眠して発芽する時期を待とうという判断をします。

こうした判断は種の中にある植物ホルモンによるものだそうですが、いやはやここまでくると、種の判断力の凄さに脱帽するしかないですね。