少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№104📕「虫の惑星」を牽引するトビムシ

お元気ですか。少年シニアです。

「地球の主人公は人類である。地球は人の惑星」だという驕りに一席を投じたのが

猿の惑星」という映画。あの衝撃のラストはいつ見ても最高です。しかし、あれは

あくまでもフィクション映画。しかし本書「虫の惑星」というのはかなりリアル。

地球には何と人類の数の10億倍の虫がいるらしい。150万種とも言われる動物の種の

約3分の2の100万種の虫が存在する。そして、生態系を支える植物の生殖をサポート

しているのが虫。このような事実を並べてみると、地球は間違いなく「虫の惑星」と

いって差し支えないでしょう。

虫の惑星〈1〉詐欺師のホタルと蝶のマリリン・モンロー (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

虫の惑星〈1〉詐欺師のホタルと蝶のマリリン・モンロー (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

                   🐝

 本書には様々な虫が、昆虫学者で科学エッセイストのエヴァンズの軽妙な語りで紹介されているのですが、特に原始的な虫の面影を漂わせ、既にデボン紀に化石として発見されている「トビムシ」が興味深かったです。(トビムシは朽葉や苔・バラ土の中に潜む数㍉程度の小虫。極めて地味な虫です)

                🐝      🐝   

 トビムシはダニに次いで陸で数の多い動物だそうで、ある調査によれば1エーカー(約4000㎥)にいたトビムシの数は約2億4837万匹。にわかに信じがたい数字です。でもこのトビムシは南極や極地でも休眠しながら生きているらしく虫にしては寒さにも怯まない。そう言えば、よく凍った地面や雪の上に黒い色をしたトビムシがうようよいて驚いたことがあります。

             🐝     🐝     🐝

 トビムシの数の多さの秘密は、まずその身体の小ささ。小さければ必要とする空間や食糧は少なくてすみ、急速に仲間を増やすことができます。そして敵から身を守る武器として腹部に「跳躍器」という器官をもったこと。

本来は使われることはなく保持器という器官が跳躍器を抑えているのですが、敵が現れると、その保持器を解除して跳躍器を作動させその体を空中に跳ね上げるのです。

昆虫が、これだけ繁栄したのは翅をもち、空中にもその生息空間を広げたからだといわれています。トビムシは翅がありませんが、この跳躍器をもったことで、より広い空間を使え、追手から逃れることができたわけです。

          🐝     🐝     🐝     🐝

 トビムシの天敵は蟻で、双方の攻防は実に見応えがあるのですが、何と天敵の兵隊アリの頭に飛び乗っているトビムシがいるそうです。兵隊アリは働きアリのように自分で食物が食べれないので、働きアリから食物をもらうのですが、トビムシは、その瞬間兵隊アリの口の脇に移動して食事の分け前をかすめとるというのです。

「虎穴に入らずんば虎児を得ず」という大胆さも、トビムシの強さと言えるでしょう。

         🐝    🐝    🐝    🐝    🐝

トビムシの求愛の動画がアップされていました。本書に書かれたこととほぼ同じ様子が映し出されていて吃驚しました。

雌よりずっと小型の雄は雌の回りを走り回る。次に彼らは面と向かって立って、互いに頭で突きあい二頭はおどけた子羊のように後ずさりしたり前進したりする。それがメスは逃げるふりをして雄は怒ったような妙な様子で雌を追いかけ雌の前に回って再び雌と向かい合う。すると雌は恥ずかしそうに身体を回すが、雄はもっと素早く活発に回り込み雌を触覚で打つようである。(本書より抜粋)


クモマルトビムシの一種の求愛 - YouTube

 

別に暗い所に逃げ込まなくても(笑)

最後よく見えない。求愛が実ったことを祈ります!