少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№92📕ダニにもいろいろありまして・・

お元気ですか。少年シニアです。

鋏角類の仲間で、蜘蛛と並んで約4億年間大繁栄してきた生き物

それがダニです。デボン紀中期の地層からダニの化石が見つかっています。

蜘蛛以上に忌み嫌われているダニですが、こちらも相当誤解があることが

本書によって明らかになりました。

ダニ・マニア―チーズをつくるダニから巨大ダニまで

ダニ・マニア―チーズをつくるダニから巨大ダニまで

 

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 著者は自らダニマニアであり「ダニ屋」を公言しています。しかしその境地に達するまではかなりの葛藤があったようです。何を研究しているかと問われ、ダニですと言えず、微小生物の研究などとぼかしてたと言います。

しかし本書の執筆をきっかけ、ダニ屋宣言をして、世間に誤解されているダニの実態を明らかにすることを決意したのでした。

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 著者は、ダニは大きく次の3種に分けます。いわく

 1.人にとって悪いダニ

 2.人にとって良いダニ

 3.一見どうでもよいダニ

 世間では、すべてのダニが人の血を吸うなど人に害を与えると誤解し、人に寄生して滅茶苦茶にする者を「社会のダニ」とまで呼びます。人に有害なダニは「マダニ」や「イエダニ」と呼ばれるものですが、著者によれば、これら有害なダニは、すべてのダニの1%にすぎないそうです。

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   そして驚くべきは、人によいダニもいるというのです。それが「チーズダニ」。チーズにとりついてチーズの風味をよくしてくれるのだそうです。著者自身、フランスのマルシェのチーズ屋でダニのついたチーズを買った経験があり、インターネット販売で販売先自らが「我社の販売している空輸の熟成ミモレットには、元気なダニがついています」と自ら宣言しているものまであるというのですから驚きです。

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 それ以外のダニの大半は、人には直接的には関係しないダニで、生態系の分解者として存在しています。ダニは木の葉っぱや池の中や海岸などで、落ち葉や植物や昆虫の体表や微生物などを餌としています。

例えばササラダニの糞は、「落ち葉のハンバーグ」と言われています。土壌の中に潜む微生物のごちそうになり、結果土壌が肥えるのを助けているからです。

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   蜘蛛は、網をはる糸と毒をもつことで繁栄してきました。ダニはどうでしょうか。

ダニは攻撃力では圧倒的に蜘蛛に劣ります。そこでダニは、身体を小さくすることで様々な環境に進出したのです。そして種ごとにに肉食・草食・菌食と多様な餌を食べ分けて繁栄していったのです。

また生殖方法についても両性生殖のもならず雌だけで子を産む単為生殖で産むダニもあらわれてきました。

また防御についても、アルマジロのように体を丸め完全に脚を身体の中に収納してしまうものや、凄い跳躍力によって逃げたり、外敵に襲われたダニが一斉に警フェロモンをだして、周囲のダニに危険を知らせ被害を最小にとどめるのです。

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 人に有害なダニの対策は必須です。著者はダニ対策は、吸引力のある掃除機で吸いこむ方法が最も有効だと述べています。そうしたダニ対策を十分したうえで、ダニには、人に利益をもたらすものや生態系の維持に役立っているものもいるということも知ってほしい。それが著者の切なる願いなのです。

 私は、こんな研究者が好きです。影ながら応援しています。