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少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№81📕植物の上陸(拡大戦略)について

植物のたどってきた道 (NHKブックス) 【使用教材】植物のたどってきた道 著者 西田治文 1998年1月刊 NHK出版

 

お元気ですか。少年シニアです。今回は、植物の上陸についてのお話しです。

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 植物の上陸はオルドビス紀(約4.9億〜4.4億年前)に始まったのではないかと言われています。四分胞子の微小化石が、オルドビス紀の地層から発見されたからです。

当時は酸素が現在とほぼ同じ量に達し、オゾン層を形成するまでに至りました。それで生物に有害な紫外線がオゾン層によりカットされ、植物が上陸できる環境が整ったようです。

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 最初に上陸した植物は、ジャクジクモ類(アオミドロ等)という緑色藻類ではないかという説が有力ですが、上陸にあたって3点 大きな課題がありました。

まず1点目は、紫外線の防御です。オゾン層によって紫外線はかなりカットされたものの、紫外線が地球に降り注いでいることには変わりありません。そこで植物は表皮をクチクラという膜で覆いました。これは光合成と呼吸のためのガス交換を妨げるという問題を発生させましたが、こちらは気孔という穴をつくることで解決しました。

2点目は、卵や精子など生殖に必要なものをいかに乾燥から守るかということで、こちらは造精器と造卵器という特殊の管をもつことで解決しました。

3点目は、胞子の散布上の課題です。海水中であれば水が散布してくれますが、陸上ではそうはいきません。そこで胞子体を大きくすることで、より高い位置から散布することで解決しました。

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 まさに、植物は一点一点課題をクリアして、約4億5千年前に淡水から陸に上陸し、繁栄の礎を築いたわけです。

 ジャククモ類に次いで、コケ植物やシダ植物の祖先が陸上に進出します。いずれも胞子で増えていきますが、その散布戦略は全く異なっていました。

コケは受精に水を必要とするため巨大化には限界がありました。そこで胞子体を分岐させず配偶体だけを増やすという堅実な方法をとりました。これに対しシダは胞子体を発達させ、胞子のうの数を増やすことで生き残る確率をあげる戦略をとりました。

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 そして徐々にシダ植物が優勢になっていきます。シダ植物は、維管束(いかんそく)という強力な水分供給もふくめた栄養供給のための組織を発達させたからです。

さらには、胚を種子の中に保護されることで休眠して最も環境のいい時まで、発芽の機会を待てる「シダ種子類」というグループも形成し、盤石の態勢を築いていきます。

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 植物を追うかのように一部の節足動物が上陸し、その節足動物を追って一部の魚類が上陸し、まさに陸上は生命のパラダイスに変貌していきます。この変化の主導者こそ植物でした。太古の昔も今も生態系のキーを握っているのは植物だったのです。