少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№77📕ダイオウイカとの出会いに賭けた男たち

 

ダイオウイカ、奇跡の遭遇【使用教材】ダイオウイカ奇跡の遭遇 著者 窪寺恒己 2013年10月刊 新潮社

 

    お元気ですか。少年シニアです。

 イカ・タコときたので、次はウミウシと思っていたのですが、本書に巡り合ってイカに賭ける人間の情熱に感動したので、今回はダイオウイカと人間の出会いのドラマについて記したいと思います。

                       くコ:彡   

 著者の窪寺氏は、イカを追って30年、ダイオウイカを追いかけて10年というイカのスペシャリスト。現在は国立科学博物館の要職につかれています。

もともと科学博物館の周年記念の目玉として、最も大きいもので全長15㍍にもなるというダイオウイカの実物を展示することになり、それ以来ダイオウイカの魅力に憑りつかれたとのことです。

生きたダイオウイカを撮影したい。その執念が報われたのが2004年のことでした。

              くコ:彡    くコ:彡

 小笠原父島近海で、窪寺氏の乗った船がダイオウイカをつりあげ、写真撮影にも成功しました。そして翌年イギリスの王位協会に写真も含め論文を提出したところ,世界中で大きな反響を呼び、NYタイムスの一面に掲載されたり、ナショナルジオグラフィックの10大ニュースの1位にも選ばれるほどの注目ぶりでした。

これに対して国内では、話題として取り上げられたものの、海外での熱狂ぶりには遠く及ばず、窪寺氏はその落差を目の当たりにして複雑な気持ちにかられます。

            くコ:彡    くコ:彡    くコ:彡

  しかし、この発見に注目していた者たちが国内にいました。NHK科学班の面々です。写真がとれた程度で、これだけ騒がれるなら、深海で生きた動画が撮影されたらどれだけの反響になるのか、テレビ屋さんの魂に火がつきました。

こうして窪塚博士とNHK科学班によるダイオウイカの深海での姿を動画でとるためのプロジェクトが開始されました。莫大なコストを捻出するために、国際的な科学テレビ専門チャンネルの「ディスカバリーチャンネル」にも呼びかけ、このプロジェクトは世界規模のものになります。

 しかし、窪寺氏によれば、ダイオウイカと遭遇できる可能性は1%あるかないか、と言っても多額なコストをかけたこのプロジェクトは失敗は許されないのです。そこでイカの権威たちが世界中から召集され考えうる限りのダイオウイカをおびき寄せる作戦がたてられます。

         くコ:彡   くコ:彡   くコ:彡   くコ:彡

まずは、著者である窪寺氏の「1㍍大のソデイカによるおとり作戦」。如何におとりのソデイカを自然な形でダイオウイカの視界にいれるかがポイントになります。

 2つ目は、生物の発光を真似た青い光によりダイオウイカを呼び出そうとする作戦。この作戦は、生物発光専門家のエディという女性科学者のプランです。

3つ目は、ニュージーランドのイカ研究の権威、オーシュによるフエロモン作戦。冷凍保存したダイオウイカからフェロモンジュースを海中に撒き、ダイオウイカを呼び出そうというものです。

4つ目は、ダイオウイカを捕食しているマッコウクジラの背中に小型撮影機をとりつけるというデービス博士(米国)の作戦。うまくいけば、ダイオウイカの単独撮影だけでなく、マッコウクジラとダイオウイカとの死闘もとれるのではという期待もあります。

     くコ:彡   くコ:彡   くコ:彡   くコ:彡  くコ:彡   

 2012年、ダイオウイカの最新潜水艇も2機用意され、ついに作戦が開始されます。そして運命の日が・・・。見事、窪寺氏のおとり作戦が功を奏し、ダイオウイカがソデイカに喰らいついたのです。その間、23分間。まさに10年近くにわたる活動が、報われた瞬間でした。さすがにこの放送は、ドキュメンタリーとしては異例の17%近くの視聴率を獲得しました。

地道に研究を重ねてきた科学者、休むことなく撮影に挑んできたNHK科学班の面々。まさにこのような執念・努力によって科学的な真実が解明されることを知りました。

 

 やはり眼が恐ろしいです。でもいつか実物をみたいものです。


富山県沖の海中を泳ぐダイオウイカの姿をカメラがとらえる(15/01/19) - YouTube