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少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№60📕生命と地球の素敵な相互関係について

生命と地球の共進化 (NHKブックス) 【使用教材】生命と地球の共進化 著者 川上伸一 2000年5月刊 NHK出版

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ガイアの夜明け」というテレビ番組がありますね。「ガイア」というのは、地球を意味する言葉だそうです。だからてっきり科学番組だと思って観たら、経済がテーマだったんで少し拍子抜けした記憶があります。

さてガイア仮説というものがあり、ラブロックという科学者が提唱しました。地球を様々な種類の生命が環境と結びついて進化した惑星であるととらえる説です。

生命の集合体としての地球は、生命が快適な状態を維持すべく生命によって調整されているというのです。これを生命と地球の共進化と言います。

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 地球環境が生命に大きな影響を与えることは理解できるのですが、逆に生命が地球に影響を与えているなんてことはありえるのでしょうか。これがあるあるなんです。

時は先カンブリア時代の27億年前。シアノバクテリアという細菌が浅瀬で太陽エネルギーを使って光合成をしだしたのです。それまでは大気の大半は二酸化炭素でした。酸素は大気上層の水蒸気の分解によって分子状に生成されていただけで、ほんの微量でした。

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 シアノバクテリア光合成活動により海中や大気での化学組成が一変します。二酸化炭素の減少と酸素の増加です。これは地球史上最大の環境汚染であり、酸素が苦手な嫌気性の生物の多くは死滅しました。運よく死滅を免れたものも酸素の届かない深海に逃げ込みました。

排出された酸素の多くは海中の二価鉄を酸化して縞状鉄鉱床になりました。そして海中の鉄を酸化し尽すと、大気にも酸素をひろげていきました。まさに生命が地球の組成を変えたのです。シアノバクテリアはその後、真核生物に入り込み、植物の光合成をつかさどる葉緑体となったという説もあります。陸上に進出した植物はさらに光合成により大気から二酸化炭素を吸収し酸素を拡げていったことでしょう。

もしシアノバクテリアがいなければ、地球は今でも二酸化炭素が充満し、宇宙線が降り注ぐ中で、嫌気性の生物が細々と生きている惑星にすぎなかったでしょう。当然我々人類も存在しません。まさにシアノバクテリアは地球を変えたのです。

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しかし事はそう単純でもなさそうです。まずどうして光合成をするシアノバクテリアが誕生したのか。実は27億年前に地球上で大きな変動があったと言います。地球内部の磁場が増大したのです。これにより生命に有害な宇宙線が遮断され浅瀬にバクテリアが棲息できるようになりました。またこの時期、上部マントルが高熱化したことで大陸地殻が急激に成長しシアノバクテリアの繁殖に都合のいい海洋域ができました。

こうして考えるとシアノバクテリアを誕生させ光合成ができる環境を整えたのは地球自身でした。鶏が先か 卵が先か 共進化の主導権はいずれにあるのでしょうか。

我々人類も地球を変える力があるなんて言われていますが、実際のところはどうなんでしょうか。人類はシアノバクテリアを超えるでしょうか。いつかその答えが明らかになることでしょう。