少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№59📕先カンブリア時代のタフな主役達について

極限環境の生き物たち ?なぜそこに棲んでいるのか? (知りたい!サイエンス)【使用教材】極限環境の生き物たち 著者 大島泰朗 2012年4月刊 技術評論社

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 カンブリア時代(約5.4億年前)という生命の爆発期になる前の期間を、先カンブリア時代と呼びます。地球が誕生したのが約46億年前なので、約40億年間は先カンブリア時代ということになります。

この時代に地球上で発生したことは、まだまだわかっていないことが多いのですが、生命が誕生し多様化する上で、この先カンブリア時代で様々な生命の試行錯誤があったと思われます。そしてこの時代の生命の主役は紛れもなく単細胞生物という微生物でした。

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 いま極限環境に棲息する生物が注目されているのは、生命が誕生した先カンブリア時代の初期は、今の感覚で言えば間違いなく極限状況に近い環境だったからです。何といっても先カンブリア時代の初期は酸素がなかったのです。これは俄かに信じがたいかもしれませんが、今も酸素が極めて薄い場所で棲息している生物はいます。地下深い土壌の中で生きている物、深海の熱水孔の近くで生きているもの、これらの生物は先カンブリア時代を研究するにあたって貴重な研究材料となります。

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 まず生命は、たった1つの細胞の中に核がなくDNAがむき出しのままになっている原核生物が登場しました。原核生物である細菌は地球にはじめて誕生した生き物で、その後も長きに渡り生き物の中心として繁栄したことでしょう。したがって細菌を研究することは、我々のご先祖様を知ることと同義です。

 一口に細菌と言っても様々な細菌がいます。酸素を好まない嫌気性のものでも、好熱菌、好酸菌、好アリカリ菌、好塩菌、好圧菌、なかには放射性耐性菌なんてものもいます。太古の地球にはオゾン層もなく放射性がばんばん地上に降り注いでいたことでしょう。したがって生き物もある程度の放射線に対する耐性がなければ活きていけなかったと思われます。

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  これまでの実験では、最高122度を耐えた細菌が確認されているそうで、超好熱性のメタン菌(メタノピュルス・カンドレリ) で海底2000㍍近い深海の熱水噴出孔で発見されたと言います。ちなみにこの122度の耐性を実証したのは高井研という日本の科学者です。生命の誕生場所として熱水噴出孔は非常に有力視されており、この超好熱性のメタン菌は最初に誕生した生物に通じている可能性があります。

ちなみに、現在は生物の存在条件として130度以下PH10以下という数値が有力な説として示されています。

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 こうした極限状況に生きる生物は過去を紐解く試料になるだけでなく、現在社会においても汚染処理や土壌の改良(細菌による窒素固定)、化粧品などの保湿剤などに活用されているとのことです。こうした細菌のおかげで我々は快適な生活を送ることができるわけです。

今後も細菌を敵に回すより味方につけておく戦略が求められているようです。