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少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№47📕ダーウィンの観察眼の鋭さについて

 

ビーグル号世界周航記――ダーウィンは何をみたか (講談社学術文庫) 

使用教材】ビーグル号世界周航記 著者チャールズ・ダーウィン 訳者荒川秀俊 2010年2月刊 講談社

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 井上ひさしの「作文教室」で、小学校の国語教育を批判するこんな文を見つけました。

   観察する。要約する。報告する。そういう文章をうんと書かせる。わたしたちも、そういう教育をうけていたら、こんな作文教室なんかいらなかったわけです

特に観察することの重要性を井上氏は強調しているのですが,ある意味これを忠実に実行したのが、英国の測量船ビーグル号で世界を航海したダーウィンではないでしょうか。彼の理論が際立って説得力があるのは、この観察力の鋭さによるものであり、それを忠実に記録し、帰港後航海日誌として世に発表したことで多くの支持を得たのです。ビーグル号での5年間の航海時代なくして、その後のダーウィン進化論の構築はなかったでしょう。

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 ビーグル号は1831年から1836年までの五年間、フォ―クランド諸島、リオデジャネイロなど約4年間南米沿岸を航行し、その後カラパゴス諸島・タヒチ・二ュージーランド インド洋を経て喜望峰をまわり帰途につきました。

この旅の途上で、ダーウィンは自然は色彩豊かで生命力に富み実に多様であること,そして時にはそこに生存競争や環境との激しい戦いがあることを実感しました。パタゴニアで絶滅した巨大な哺乳類の化石を発見したり、生息する地域によってレア(ダチョウ)の大きさが異なることを知ったり、がラバゴスでは様々な固有種を観察しました。                                                                         ⛵  ⛵  ⛵        

 また動植物・岩石などを採集してはラベルに記録し、船内で顕微鏡で調べては標本として本国に送り届けました。そして航海中に出会った動物や現地の人々や土地の様子を、いきいきとした文章で日誌に綴りました。

ジャガーがよい食物になるかどうかについてはガウチョ人の意見はわかれているが、ピューマが素晴らしい味だということは異口同音である。

彼ら(タヒチ人)の表情には優しさがあって原始的な人々だという観念をすぐに追い払ってしまうし、文化が進んでいることを示す知恵もある。

パナマ河は島が多くてその島が絶えず崩壊してはまたできるという輪廻を繰り返している。

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  またダーウィンに影響を与えたこととして、地質学者ライエルの「地質学原理」を航海中に熟読したことが指摘されています。ライエルは、この著書の中で地球の表面には常に無数の小さな蓄積的変化が起きており、それは長大な時間にわたって同じように働く自然の力の結果であることを説きました。ダーウィンは自然は漸進的な変化によって変わるという概念を知ったことで、生物の進化や枝分かれも、長い長い時間をかけて進んでいくのではという発想をもつようになりました。

そして帰還後、進化理論をブラッシュアップさせ,満を持して「種の起源」を出版しました。ダーウィン50歳 あの航海の23年後のことでした。