少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№46📕進化論 生命は皆兄弟について

種の起原 (原書第6版)

【使用教材】種の起源6版 著者 チャールズ・ダーウィン 訳者 堀伸夫・堀大才2009年5月刊 朝書店

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 進化論ほど様々な議論を巻き起こし、人類に自己の存在を考えさせた理論はないでしょう。コペルニクスやガリレオが唱えた「地動説」も世を震撼させましたが、これはあくまで地球の問題。しかし進化論は違います。これは人類自身のルーツの問題なのです。地動説によって地球が特別な存在でないことを承知した者も、人類が特別な存在ではないことを簡単に認めるわけにはいかなかったようです。米国では未だに4割の人が進化論を認めていないと言います。

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 進化論ーすなわち生命は本来一種のものから枝分かれして進化したという考えを説いた人は、ダーウィン以前から存在しました。彼の祖父のエラズマスや博物学者のラマルクなどがそうです。従って進化論自体はダーウィンが最初に打ち立てた理論ではありません。ただ、彼は20歳台に経験したビーグル号での航海途上、動植物の生態を観察中に進化論を示唆するような事実を目の当たりにし、進化論が正しいことを確信しました。その体験をベースに、より進化論を理論・体系化したのがダーウィンが書き起こした「種の起源だったのです。 

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 その理論のキーワードになるのが「自然淘汰」。ダーウィンはまず家畜や飼育生物が人為的な選択により盛衰することを観察し、人為的に種が選択されるのなら、自然も生物を選択していても不思議ではないと考えました。自然の変化は気候の変動や大陸の移動など様々な要因によっておきますが、その中で生き延びるのに有利な形質をもったものが「生存闘争」に打ち勝って子孫を残し、ますます繁栄していくという考え方が自然淘汰であり、この前提が変異という現象でした。

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 変異とは、高い木にある餌を食べるためキリンの首が長くなるということではなく、遺伝などによる形質の差をさします。たまたまその変異が生存競争に有利に働いた場合、その形質をもったものが生き残るというわけです。そしてその勢力が大きくなると変種となり、長い時間をかけて違いが拡大し、異なる種として枝分かれしていくというのがダーウィンの主張です。

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 ダーウィン以降、進化論自体については、科学者の中でも「進化」や「枝分かれ」という骨格の部分では異論はないものの、変異の原因や変異の仕方については様々な考え方があるようです。私自身、本書を読んで非常にダーウィンの主張は理にかなって説得力をあると思いましたし、何よりも枝分かれしていく生命樹の形や、生き物の祖先はつまるところ同じだという考え方に何とも言えぬ美しさを感じました。

あと、進化や自然淘汰という言葉はどうも誤解を生むようで、進化は進歩としてとらえられ、自然淘汰は強い者だけが生き残ると解釈されることが多いのですが、それは本書を読めば間違いであることがわかります。進化はむしろ環境への変化対応であり自然淘汰によって促進される枝分れ(多様化)も、生命を維持継続させる戦略の一つであると理解するべきでしょう。