少年シニア 55歳から学ぶ理科

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№43📕地底旅行が実現する日について

ダイヤモンド号で行く地底旅行

    【使用教材】ダイヤモンド号で行く地底旅行 著者 入松徹男 2005年9月刊 新日本出版社

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  「灯台もと暗し」といいますが,実は我々は足をつけている地面の内部がどうなっているのかをあまり知りません。宇宙や深海は実際に出向き、映像も撮って視覚的に確認できていますが、地底については、人類は半径6400㌔のうちわずか地下12㌔までにしか達することができておらず、科学的分析(地震波の観測等)により内部を想像するしかないのが実情です。

よく地球内部の構造は、ゆで卵を例に説明されます。表面の殻が「地殻」で、大陸では地下30㌔程度、海面では地下6㌔程度の深さです。卵の白味にあたるのが「マントル」。黄身にあたるのが「核」です。我々は、半径の1%にも満たない皮の上で生きていますが、まだ殻より内部のマントルを見た者はいません。

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 本書は、地底探査機ダイヤモンド号に乗って擬似的に地球内部を覗くという設定です。生涯学習センターで小中生向けに講義をすることになった著者がSFの巨匠ヴェルヌの「地底旅行」からヒントを得て講演したものを編集し直したものです。探査機がダイヤモンドで作られているのは、地底の超高圧に耐えれるからで、年に数㎝ほど動く海洋プレートの上にのせて、大陸プレートの下に潜り込んで地球内部を見ようという構想です。そのため地球に戻ってくるまでに2億年かかるという大胆な設定になっています(笑)

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 大陸地殻は主に花崗岩質でできていますが、海洋地殻は花崗岩よりも密度の大きい玄武岩質でできているため重い海洋プレートは軽い大陸プレートと衝突すると、その下に潜り、更にマントルに潜り込みます。マントルは地下2900㌔までに達し、熱の対流の激しい上部マントルと、比較的穏やかな下部マントルに分けられます。

上部マントルは温度が1000度5万気圧の世界で、低温では光を発しない岩石も、この温度ではオレンジ色やガスの炎のような青みを帯びた光を発するといいますから、決して暗黒の世界ではなさそうです。マントルは主にかんらん岩・輝石でできており、ダイヤモンドも含め宝石があちこちにころがっているわくわくゾーンです。

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 地球の中心にある核は、液体の「外核」と固体の「内核」に分れ、主に鉄が中心元素です。外核内の溶けた鉄の対流は、有害な宇宙線から我々を守っている地球磁場を発生させているダイナモ理論)と考えられており、液体で存在する意味が読み取れます。またこの鉄に引き寄せられた金や白金といった親鉄元素もあり、核は貴金属の宝庫とも言われています。外核内核と接する地下5150㌔では溶けた鉄が結晶化するため、そこは鉄の雪が降り積もる白銀の世界が拡がっているそうです。

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 内核は6000度という超高温ですが、外核のような活発な対流活動は期待できないためダイヤモンド号もここで旅を終了させ、その後は上昇対流にのって地球に戻るという形でお話は終了します。

今後、地下の領域についての研究は加速的に進むと思われます。深海で予想以上に多様な生き物がいたように、地底奥深くにも多様な生き物が棲息している可能性もあります。海底探査機「ちきゅう」で海底を掘削して初のマントルを目指す動きも具体化されており、今後もその動きが注目されます。