少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№40📕過酷な深海の環境を愛する生命について

NHKサイエンスZERO 深海で生命の起源を探る (NHKサイエンスZERO)

 

 

 

【使用教材】深海で生命の起源を探る

 著者 NHKサイエンスZERO取材班+高井研・JANSTEC 2011年10月刊 NHK出版                            

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 生命誕生の起源については諸説あります。彗星の中に生命のタネが紛れ込んで地球に落下してきたという宇宙起源説もありますが、現在最も有力なのは深海の熱水噴出孔周辺で化学合成により発生したという説です。海嶺(何千㌔も続く海底山脈)で生じるプレートの移動により割れ目が生じ、そこから黒煙や白煙が生じます。これが熱水噴出孔です。

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 1977年 米国の有人深海探査機「アルビン号」が世界で初めて熱水噴出孔を発見しました。その周辺には奇妙な生き物がうようよしていたと言います。太陽の光も届かず数百度の高温・高気圧の想像を絶する環境で「どうして彼らが生きているのか」世界中の学者が驚きました。特に注目を浴びたのがチューブのような管をもつミミズような環形動物です。この動物は口も消化器も肛門もなく、上のチューブからは噴出孔からはきだされる硫化水素を、下からは海水をこしとり、共生している硫黄酸化細菌に化学合成をさせて出来上がった有機物をエネルギーして生きているというのです。この生き物の名をチューブワームと言います。

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 この発見で、多くの科学者が「このような生物群が大古の生命の姿なのではないか」と考え、深海誕生説が支持されるようになってきました。ただ太古の海は、酸素は含まれていないので、現在と同じ環境ではありません。現在では水素と二酸化炭素によりメタンが生成され、このメタンをエネルギーにした細菌が地球初の生命ではないかという説が有力です。(現在の海底下でメタン菌によるメタン生成が起きている証拠も見つかっているようです)

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 「しんかい6500」という日本の誇る有人深海探査機があります。文字通り6500㍍の深海に潜る能力をもち、これまで世界中の深海で数々の発見をしています。深海は未だ知られていないことが多く、新たな生命の発見はもとより資源の採掘という面でも益々注目される領域です。先日、横浜市にある「三菱みなとみらい技術館」で「しんかい6500」の機内設備を再現したものを観ました。この小さな穴から様々な発見がされたことでしょう。

f:id:tkbkun:20141004215813j:plain  ←しんかい6500から深海を眺める

f:id:tkbkun:20141004215614j:plain ←しんかい6500の全体

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 この他、日本には「ちきゅう」という海底下7000㍍なで掘削する能力をもつ地球深部探査機もあります。この「ちきゅう」が2010年9月沖縄トラフと呼ばれる一帯で熱水噴出孔の海底下の岩石から直接微生物を採取しました。比較的低温の海底堆積物での掘削はこれまで行われていましたが、このような熱水の中での微生物の摂取は世界で初めてということで、大きな注目を浴びたということです。

現在世界で発見されている熱水噴出孔は550か所。今後も深海の探査が進む中で益々その実態が明らかにされ、生命の起源の謎も解明されていくことでしょう。