少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№36📕雲を愛でる優雅さについて

「雲」の楽しみ方

 

 

 

【使用教材】雲の楽しみ方 著者 ギャヴィン・ブレイター=ビニー

                                     訳者 桃井緑美子 2007年7月刊 河出書房

                 ☁

  前回に引き続き雲について語ります。雲を眺める愉しさに嵌ってしまったからです。ブログのヘッダーの背景の写真も雲に変えてしまいました。あとこちら↓の雲ですがゲゲゲの鬼太郎の盟友である「一反木綿」に見えたので思わずシャッターをきりました。いかがでしょうか。

f:id:tkbkun:20140923202659j:plain

                 ☁  ☁

 さて「雲を愛でる会」という団体があることはご存知ですか。本書はこの団体を発足させたイギリス人の現会長が書き下ろした本です。この会の声明書がなかなか、パンチが利いています。

われら雲をめでる会は雲が不当にも悪者扱いされていると考えている。

雲がなければ人生は果て無く味気ないものである

著者は、クラウドウォッチングが優雅で思索的な楽しみであることを強調するとともに、科学的に雲を知ることと芸術的に雲を眺めることは全く矛盾しないとし、「科学的な説明は理解できても想像力を揺さぶれはしない」と言った自然詩人のヘンリー・D・ソローの考えに異議を唱えています。私もこの点については著者の考えを支持します。

               ☁  ☁  ☁

そして現在の分類にそって各雲の形成過程と特長・見分け方を解説し各々にキャッチ文をつけます。目に浮かぶようなキャッチで中々うまいなあと感心しますね。

 積 雲  うららかな空にぽっかり浮かぶ綿雲

 積乱雲  そそりたつ怒れる王(かみなり雲)またの名を雲界のダースベイダー

 層 雲  低く垂れこめた幽玄の世界

 層積雲  次々と衣装を替える千変万化の「くもり空」

 高積雲  空に勢ぞろいするひつじ雲

 高層雲  一瞬きらめくが凡庸な「おぼろ雲」

 乱層雲  厚く空を覆って涙の滴を落とす雨雲

 巻 雲  氷の結晶がつくる繊細な天使の髪「すじ雲」

 巻積雲  魚市場で見つけた小雲のさざ波「鯖雲」

 巻層雲  高い空から光の微笑みを投げかける薄曇り

              ☁  ☁  ☁  ☁

 もちろん科学的な解説もなかなか充実しています。雲をぱっと見てこれは何雲と言い当てるのは愛好家でも結構むずかしかったりするようですが、紛らわしい雲を見分ける方法が公開されています。例えば「高い空に浮かぶ巻層雲は太陽の光を遮らないので地面に影ができるが、高層雲の場合は影ができない」「腕を伸ばして三本の指を立てて三本指の幅よりも雲片が大きければ低い空の層積雲。一本の指の幅より小さかったら層は高いところにあり巻積雲。指三本よりも小さく一本よりも大きければ高積雲」などなど。

書の最後にはモーニンググローリーと呼ばれるめったに見らえない巨大なロール雲を見に、イギリスからはるばるオーストラリアの片田舎に出かける様子が描かれています。雲を愛でるのも相当なエネルギーが必要なようですが、羨ましい情熱を感じるのは私だけではない気がします。