少年シニア 55歳から学ぶ理科

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№30📕元気のない太陽について

眠りにつく太陽――地球は寒冷化する(祥伝社新書215)  【使用教材】眠りにつく太陽 著者 桜井邦朋 2010年10月10日刊 祥伝社

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    ちょっとこわい内容です。本来もっと元気があるはずなのに近年どうも太陽に元気がない。この状況が続くと地球は温暖化するどころか寒冷化する可能性があるという話です。そもそも太陽に元気があるないとはどういうことか、またどんな理由でそうなるのか、もっと太陽について理解しましょうというのが今回の趣旨です。

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 太陽活動周期というものがあって、太陽の活動が低調な時期から活発な時期になって、また不活発になる。この循環がおよそ11年間程で起きるということが観測によって明らかになっています。活発度は、太陽の表面にある黒点の数でわかるそうで、黒点が多い時は活発な時期、逆に少ない時は低調な時期というわけです。したがって黒点数を観測することは極めて重要なことです。この黒点数がもっと増えなければならないのに増えていないというのが本書の指摘です。

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 実は、地球の平均気温は、年代によって結構変動しているそうで、縄文時代では、今より1.5度ほど、平安時代でも1度ほど平均気温は高かったようです。ところが鎌倉時代の後半あたりから、寒冷化が進みます。著者によると元寇も寒冷化によって南進をはかったのが原因ともあるのですが、真偽の方はどうなんでしょうか。  

特に黒点が異常に少なくなった時期が17世紀半ばから18世紀初頭で、これをマウンダー極小期と言います。本来であれば、11年間に約4〜5万個ほどの黒点数が発生するはずの時期にたった数十個の黒点数しか観測されなかった時期で、世界的な寒冷化現象が発生、特にヨーロッパでは大飢饉が発生したりペストが猛威を振るって社会不安が増大しました。不順な天候は、物理的な被害に留まらず、人の精神の荒廃にもつながっていったようです。

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   太陽の磁場は、11年単位で反転(例:S極からN極へ)し、このことが太陽活動の強弱に影響しているようです。黒点が少ない太陽の不活発な時期は磁気も弱くなり、銀河を飛びかっている宇宙線(高エネルギーの放射線)を遮る力も弱くなるため,地球に向かう宇宙線は増大します。宇宙線は、大気と地球の磁場に守られ我々の生活圏に及ぶことはありませんが、大気圏外での宇宙観測活動への悪影響は避けられません。また宇宙線は大気との衝突により雲を大量に発生させ、その影響で寒冷化が進むという説が有力です。

いずれにしても元気のない太陽があまり続くと、マウンダ―極小期のような社会不安に至るまでの寒冷化が進む可能性はでてきます。黒点数の観測が本格的にはじまって現在は24周期にあたります。24周期は2008年からスタートしており、今は極大期を終え極小期に向かう途上にあるようですが、極大期の黒点平均数が22、23周期と比べてかなり少なくなっており活動の低下傾向が続いているのは気になるところです。いずれにしても温暖化の問題のみならず、寒冷化の問題も含めた総合的な気候変動の状況を注視する必要がありそうです。

 

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