少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№29📕太陽という絶対君主について

 

太陽と地球のふしぎな関係―絶対君主と無力なしもべ (ブルーバックス) 【使用教材】太陽と地球のふしぎな関係 著者 上出洋介 2011年8月19日刊 講談社

                  

 さて、いよいよ太陽系宇宙のトリ、太陽の登場です。トリというと紅白歌合戦の常連だった美空ひばりの顔が浮かんできます。そういえば「真っ赤な太陽」というヒット曲もありました。少しでも真っ赤な太陽の実情に迫れればいいのですが。

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    本書の副題が「絶対君主と無力なしもべ」となっています。もちろん絶対君主は太陽で、無力なしもべは地球です。悲しいキャッチですが、認めざるをえないのでしょうね。地球の運命はひとえに太陽のご機嫌にかかっていますので。特に生命は太陽の光に大きく依存しています。太陽がおかしくなって植物の光合成が困難になれば、植物は死滅し、植物が死滅すれば草食動物が死滅し、草食動物が死滅すれば肉食動物は死滅する。こうして食物連鎖が立ちきられることで生命は絶滅状況になるでしょう。

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 太陽フレアによって放射される紫外線やX線は、様々な形で地球に影響を与えます。例えば人工衛星の軌道を狂わしたり破壊して通信障害が発生し、航空機発着を誘導するシステムが狂って大事故につながる可能性があります。また放送が不能になり必要な情報が得られないことで大きな不利益が生じることもあります。我々の文明社会 特にコンピュータや通信技術は宇宙による損害を受けやすい方向に発展していると著者は指摘します。

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 そこで注目されるのが、宇宙天気予報というもの。日本では、宇宙天気予報センターで毎日午後12時半に予報会議を開き、24時間後までの太陽フレアの発生状況 地磁気や高エネルギー粒子の状況を予測し、午後4時頃にウェッブサイトで発表するとともに、登録者宛にメールで発信しているとのこと。(登録者は、通信衛星放送衛星を運用している企業や漁船無線やアマチュア無線など短波電波を使って通信している人たちなど)。

ただこうした宇宙天気予報の結果は、全人類にも直接的間接的にかかわってきますので、誰もが無関心ではいられません。宇宙環境の真の定量的予報ができるようになるには、太陽活動のメカニズムや太陽風と地球磁気圏の相互作用等 総合的に理解していくことが問われているのです。

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 太陽は確かに絶対君主ですが しもべを搾取するだけの無慈悲な君主ではありません。それだけの恩恵をしもべに与えてくれています。光合成による生命へのエネルギーの供給・酸素の放出 太陽からの贈り物によって我々ただは生きています。それを我々は当たり前に思っていますが、ありがたい太陽の実態はそんなに安定したものではないようです。太陽の寿命はあと約50億年といいますが、その間、地球に恩恵を与え続けてくれる保証はありません。

 ただ驚くべきは 地球の絶対君主である太陽が、広大な宇宙全体にあっては質量・体積とも中くらいのごくありふれた恒星であるということです。宇宙にあっては班長さんくらいの役職なのかもしれません。でも我々地球はこの班長さんを軽視せず、今後もその顔色を伺って生きていくことが肝要なのです。

 

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