少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№21🎥愛された探査機はやぶさについて

【使用教材】
「はやぶさepisode.ZERO」東映×文部科学省 -YouTube"

はやぶさ 遥かなる帰還

はやぶさ 遥かなる帰還【DVD】

                    

  以前 外惑星探査機「ボイジャー」のドキュメントを見たことがあります。そこでボイジャーの開発や運用に携わっている人たちがインタビューに答えていくのですが、ある科学者は「ボイジャーは私の身体の一部である」と言い、ある科学者は「ボイジャーは私の家族である」と語っていたことを思い出します。「はやぶさ」に携わった人たちも同じようなことを思ったのではないか。この映画を観てそう思いました。

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 はやぶさは、火星と木星の間いある小惑星帯にある直径500㍍の小惑星イトカワ」の地殻に弾丸を撃ち込み、粉塵でまきあげられた土砂を持ち帰る(サンプルリターン)というミッションを携え、2003年5月に打ち上げられました。小惑星帯からのサンプルリターンは世界で初めてという大ミッションで、世界的にも大変注目を集めました。小惑星は、原始太陽系のときに発生してから姿がかわっていないと言われており、小惑星組成を調べることは太陽系の起源の解明に大変役立つと考えられています。

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 しかし、打ち上げ後、通信が途絶えたり弾丸が撃ち込まれなかったりと「はやぶさ」は何度もピンチを迎えます。「はやぶさ」の最大の使命はサンプルリターンですから、サンプルをもって地球に戻らねば意味がありません。一時はトラブルの連続から帰還は絶望的と思われていたのですが、通信が再開され、サンプルも弾丸は打ち込めなかったが着陸したときに巻き起こった粉塵が回収されている可能性はあるということで予定より3年遅れた2010年帰還できる目途がつきます。これではやぶさ人気に火が付きました。復活劇は人間が最も好むドラマです。また、はやぶさ本体は回収物をオーストラリアの砂漠に落とした後は、地球に害を与えぬよう自ら燃焼させて破壊させるというシチュエーションが、多くの人々の共感を呼んだのでした。「はやぶさ」に関連する映画が同時期に3本出されたというのも、この自己犠牲的なシチュエーションが絵になるからだと思います。まさに「はやぶさ」が我々の同志になった瞬間なのです。

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 本編では渡邊謙が演じているプロジェクトマネージャーの川口淳一郎氏を映画予告用の動画(冒頭にアップ)でも見ましたが、非常に冷静で芝居がかったところのない人という印象です。しかし小惑星探査でのNASAへの対抗意識は並々ならぬものがあり、こういう人を燃えさせたら怖いだろうなというふうにも感じました。(渡辺謙も川口さんの静かなる凄みをうまく表現していました) 今年の秋には「はやぶさ2」が、打ち上げられる予定です。こちらは、イトカワよりも始原的で有機物や含水鉱物を多く含んでいると言われているC型小惑星のサンプリリターンを目指しています。映画では藤竜也が演じていた的川博士が,あるTVのインタビューで「また色々不測の事態も起きてドラマが生まれると思います」とおっしゃっていましたが、どんなドラマと結末が待っているのか、今から期待して打ち上げを待ちたいと思います。