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少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№20📕地球の親族 隕石について

隕石コレクター―鉱物学、岩石学、天文学が解き明かす「宇宙からの石」

 

 

 

使用教材】書名 隕石コレクター

 著者 Rノートン 訳者 江口あとか 2007年6月刊  築地書館


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 以前立川市にある「国立極地研究所」で、南極で発見された隕石を見たことがあります。実は南極は隕石の宝庫で、現在国際隕石学会に登録されている隕石の7割以上は南極で入手されたものだそうです。南極の隕石探査に火をつけたのは実は日本で、1969年に昭和基地近くにある「やまと山脈」から9個もの隕石が発見され、それ以来本格的な探査がはじまったようです。日本が探査により収集した数は、実に17000個。米国についで2番目の南極隕石大国になっています。南極で多く発見されるのは、保存環境がいいこと、地形的に隕石が自然に集約される場所があることなどが指摘されています。

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 南極以外の土地で隕石を発見するのが容易でないことは私でも理解できます。その難易度の高い行為を世界各地でやっているのが隕石コレクターという人たちです。隕石コレクターというとあたかも山師的な印象がありますが、本書で紹介されている世界で最初の隕石コレクターのナイニンガーのように、学者以上に隕石に真正面から取り組んだ人もいます。

彼はもともとは生物の教師だったのですが、隕石の魅力に取りつかれて隕石コレクターになります。隕石のありそうな所に行って、現地の人々と親しくなり隕石の知識を伝え隕石を探してきたものに報酬を与える。その手法で多くの数の隕石を集めて研究するとともに、売却してビジネス化していきます。そのことを色々と批判する人も多くいたようですが、ナイニンガーの素晴らしいところは単に商業主義的に隕石を扱うのではなく、研究対象と位置づけて取り扱うところです。著名な隕石学者のレオナルドとともに隕石学会という組織を立ち上げ隕石についての本格的な学術調査を行うのです。また個人でもルート66沿いに「アメリカン隕石博物館」と称する施設博物館をオープンさせ、25セントの入場料をとって一般の人にも公開します。経営的にはかなり厳しかったようですが、ここは彼の聖地だったのです。

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  隕石の大半は、火星と木星の間にある小惑星帯からやってきます。ここには、木星の引力によって惑星になりきれなかった小惑星が無数存在していて、隕石は小惑星同士がぶつかりあい、その破片が落下したものと言われています。小惑星は原始太陽ができたときのままの組成を維持しているので、その破片である隕石は、太陽系の起源を知るための証人というわけです。また地球の組成小惑星同様、原始太陽がまきちらした塵でできたものなので隕石も地球の親戚と言えるでしょう。

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    また隕石は地球の進化に大きな影響を与えた可能性が指摘されています。地球に水をもたらしたのが隕石という説 、生命の材料を提供したのが隕石という説。何回か地球に起きた生物の大絶滅も巨大な隕石が原因という説。隕石は単なる落下物ではなくそこから地球の歴史が見えてくる貴重な訪問者として丁重に扱うことが大切なようです。