少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№18📕火星に50万円で行く時代について

Google Earthで行く火星旅行 (岩波科学ライブラリー) 

 

 

【使用教材】GoogleEarthで行く火星旅行

 著者 後藤和久・小松吾郎 2012年8月2日刊 岩波書店

 

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 いま火星が熱い。火星の温度が上昇したわけではありません。火星の平均気温は、今もマイナス55度です。火星に注がれる人間の想いが熱いのです。「そうだ 火星に行こう」という時代が私が死ぬまでにはやってきそうな気配です。

 何でも「マーズワン」というオランダのNPOが2024年から6回にわけて24人を火星に送り出す構想を発表し参加者を呼びかけたところ、何と世界140か国から20万人もの応募があったとのことです(すでに候補者を1000人近くに絞って本人に通知したとのこと)  こちら技術上やコスト上の問題で片道旅行が前提なので、その人は二度と地球に戻ることはないのですが、それでも行きたい人は大勢いるようなのです。

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 火星に住むハードルはとんでもなく高いです。まず酸素はどうするの(地下にある氷を溶かして水にし、そこから酸素を取り出すらしい)食糧はどうするの (植物を栽培するらしい)降り注ぐ放射線はどうするの(完全防備の宇宙服を作るらしい)  今の技術で十分対応可能だと、この構想をぶちあげたオランダ人は豪語するのですが・・・

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 本書は2062年8月2日(この本の発行日の50年後)子どもの頃から火星に憧れていた高校生の松井君が1年間 高校を休学して入学祝のお金も使って火星旅行5日間の旅に出るという設定で話が進んでいきます。費用が何と50万円という格安料金でチラシの募集広告で応募したというくだりは、結構笑えます。超IT時代になってもチラシが存在していたことに紙好きの私は安心しました。

5日間の旅行プランはこんな感じです。

 1日目 氷河痕 カセイ谷 アレス谷 スキアパレッリクレーター等

 2日目 ケルベロスフオッサの深い溝 溶岩流

 3日目    ランバートクレーター ダストデビル  泥火山

 4日目 伝説の探査機オポチュ二ティーの辿った道

 5日目 マリネリス渓谷(全長4000㌔深さ7㌔) オリンポス火山(標高27000㌔)        

     メサ(人面岩) シャルバタナ谷

  これまでの探査で,過去に液体の水が存在していたことが明らかになっており、訪問場所も水に関連する所が中心となっています。問題は、今の火星に液体の水が存在するのか、生命体が存在するのか 松井君は、この旅行中に遭遇できるでしょうか。

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    感性豊かな高校生時代に、こんなワクワクする旅に50万円で行ける松井君はほんとに幸せ者と言えるでしょう。ただ50万円という破格の料金で行けるかどうかは別として、宇宙空間が観光の対象となり商業ベースで技術革新が進んでいくことは、ほぼ間違いがないように思われます。さらに冒頭でふれたような火星地球化計画で、火星を人間の居住に適したものに変えていくことも想定されています。どこまでそれが可能なのか。可能だとしてもどこまでで留めておくのか。人間の叡智が問われる時代になったのだと思います。