少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№13📕地球外生命に時めくことについて

惑星へ〈上〉  

 

   【使用教材】書名 惑星へ

 著者 カール・セーガン 監訳者 森暁雄 1996年3月刊 朝日新聞社

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 太陽系の勉強をするにあたって、まずは太陽系の星々への気持ちを昂ぶらせてみたい。そう思ったときに真っ先に浮かんだ人の名が、カール・セーガンでした。

 セーガンは、ともすれば専門家の世界に陥りがちな宇宙領域の知識を一般の人間にも開放し、驚きに満ちた宇宙の姿を美しく簡潔な表現描写で伝えました。そして科学者・サイエンスライター・SF作家・惑星探査計画の推進者といった多くの顔をもった人でした。これだけ多岐にわたり活躍した人は他にいません。その表現力は機知に富み、詩的です。また様々なアイデアをだし実行するその力は驚くべきものがあります。

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 セーガンは、本書でまず人類の栄光を剥がしていきます。「大降格」という章で、地球が宇宙の中心であると思っていた人類が、自らの手で発展させた科学技術の力によって、実はありふれた星であることを知る過程をひも解いていきます。セーガンは自分たちのドグマのために真理を捻じ曲げようとする者、人々の不安を煽るために逆に宇宙の神秘を利用しようとする者に我慢がならなかったようです。

    だからこそ大学という象牙の塔に留まらず、惑星探査の実際の活動の推進に力を注ぎ、実証的に宇宙の真理を明らかにしようとしたのです。特に木星以遠の外惑星の探査を目的としたボイジャー計画は、木星の衛星であるイオに火山活動があることや木星天王星海王星などにも土星同様の輪があること等、未知なる宇宙の解明に大きな成果をもたらしましたが、この計画にもセーガンはスタッフの一員として参画しており、本書でもそのあらましが随所に記されています。

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 セーガンの魅力はどこから生まれているのでしょう。TV番組「コスモス」で披露した巧みな話術でしょうか。ロマンとクールさ双方を持ち合わせたキャラクターでしょうか。私自身セーガンに魅力を感じるのは、生命を軸において物事を捉える視点にあります。セーガンは、この宇宙に知的生命体がいることを信じていました。常に地球は特別な存在ではないことを強調する彼の基本思想からすれば、地球以外にも知的生命体がいても何ら不思議はないでしょう。ボイジャーが、知的生命体との遭遇を想定して55の言語による挨拶の言葉や歌 そして地球の様子の画像データなどが入ったレコードを搭載しているのは有名な話ですが、当然このアイデアにセーガンも一役買っています。

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    こと太陽系に関しては、知的生命体はどうも地球だけに存在するようです。しかし生命となると、まだ諦めるのは早計です。地球同様火山活動があり、地表の更新によってクレーターが殆ど見られない木星の衛星「イオ」。液体の水が存在し地球の海底に見られるような熱水噴出孔があるとみられる木星の衛星「エウロパ」。大気の主成分が地球同様窒素で、地球によく似た地形や気象現象があるとされる土星の衛星「タイタン」。生命の匂いがプンプンします。やはり生命というものはわくわくさせる特効薬であり希望でもあります。