少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№⒓📕大切なものは見えにくい

 

星の王子さま (岩波少年文庫 (001))  

 

 使用教材】書名 星の王子さま                            

著者 サン=テクジュぺリ 訳者 内藤 濯 2000年6月1刊 岩波書店

                  

 我々人類は宇宙の物質・エネルギーの正体を、たった4%しか知りません。残りの96%は、ダークエネルギーダークマターという目にみえぬもので宇宙は構成されています。そしてその解明は21世紀の大きな課題であると言われています。

「大切なことは、目にみえないんだよ  」

これは「星の王子さま」の中にある一節です。小惑星からやってきた星の王子は、サハラ砂漠に不時着した飛行士の僕にこう言い残して地球をあとにし故郷に戻っていきます。

「大切なことは、目にみえない

宇宙の未知なる物質・エネルギーのことを学んで真っ先に思いついたのが、この言葉でした。核心をついた言葉です。確かに、宇宙を支配している力や人間を支配する心・夢・愛といった大切なものは、全て目にみえないのです。

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 会社で業務を可視化するという活動をしたことがあります。自分の1日の仕事を細かく洗い出して分析し無駄なことをやっていないかを確認するものです。これは目にみえないことを可視化するのではなく、見えてはいるけれど顕在化できていない作業を見える化するものです。確かに大切な視点です。様々な気づきもあり改善に結びつくこともありました。でも大きな変革には結びつきません。何故なんだろう。そう自問しました。いまだにわからないのですが、目にみえない「心」や「想い」や「希望」という人間の大切な感情の分析が抜け落ちていたからではないか。今はそう思っています。

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 科学者はダークエネルギーダークマターが今見えないからと言って諦めはしません。彼らはこう言うでしょう。「大切なものは見えないのではなく、見えにくいものなんだ見ようと努力すれば必ず見える」と。今、宇宙の探求において「量子力学」というミクロなものに熱い視線が注がれているのも、こうした科学者の視点と無縁ではないでしょう。確かにそうかも知れません。人の心も見えないからどうしようもないとあきらめていましたが、あえて見ようとしてこなかったというのが真実のようです。

「大切なものは見えにくい でも見ようとする意志が、次の扉を開ける」

宇宙銀河 そして星の王子からそのことを教わりました。心眼を磨くことが私の課題です。

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 サン=テグジュぺリは、この本を当時ナチス政権下で逆境にあった親友のレオン・ヴェルトに捧げるために書きました。「逆境の今こそ、こどもの時の気持ちを失わずに生きてほしい」という強いメッセージをこめ、冒頭の献辞でこのように記しています。

「おとなはだれもはじめは子どもだった。しかしそのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない」

 私はこの言葉に触れたとき、「数字しかおもしろがらない大人、言いかえれば結果しかおもしろがらない大人」にならぬよう自戒し、少年シニアを極める意味をサン=テグジュぺリの想いと重ねあわせて忘れぬようにしたいと強く思いました。