少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№9📕すばる望遠鏡に託す夢について

カラー版 すばる望遠鏡の宇宙―ハワイからの挑戦 (岩波新書)

 

 

  【使用教材】すばる望遠鏡の宇宙 ハワイからの挑戦      

    著者 海部宣男 宮下曉彦(写真)2007年7月20日刊 岩波書店

 

 

                  

   前回日本が誇る「すばる望遠鏡」が約129億年前の銀河をとらえたことは記しました。本書は、この偉業を成し遂げた「すばる」が、どのような苦労と喜びをもってハワイのマウナケア山に設置されたのか、また銀河の果てをとらえたことも含め、どのようなミッションをもって実績を積み上げてきたか、今後はどんなテーマに挑戦していくのか 次世代のすばるは何を目指すのかを、当時のすばるプロジェクトの責任者の海部氏が熱い想いで書き上げたものです。また新書ながらオールカラー刷りで国立天文台の宮下氏の美しい写真が惜しみなく掲載されていてわくわくした気持ちで読み進めることができました。

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    まず日本のすばるが何故ハワイに?と思ったのですが、ハワイのマウナケア山頂は、天気が安定している上非常に空気が澄んでいて天文観測にはうってつけの場所だそうです。すでに世界11か国13台の天体望遠鏡が設置されており、著者の言によればマウナケアは星の天国とのことです。

しかし標高4200㍍の高地での建設作業は高山病との戦いも含め大変過酷な状況を強いられます。実際、火災により3人のワーカーが亡くなり その経緯も本書で語られています。その中で、高度な技術が建設に要求されるわけですから、本当に大変なミッションです。しかし現地のワーカー、三菱電機 大成建設といった企業のメンバー 国立天文台のスタッフら高度な専門技術をもつ人たちが集い、互いにリスペクトしながら、大きなミッションに臨む姿に羨望の気持ちを感じないわけにはいきません。

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    いま「太陽系以外の惑星と生命」についての調査が熱いようです。1995年にスイスの天文学者マヨールがペガサス座51番星に惑星があることを報告して以来、太陽系以外の発見ラッシュが続いているのだそうです。本書では200個(2007年)とありますが、現在では有力候補も含めると3500個にもなるので、凄い勢いで発見されていることがわかります。なお発見の方法としては、大半が惑星本体を直接見たのではなくそれが回っている恒星の周期的な速度変化により、惑星の存在を確認するという間接的な方法です。ただ数十個ではありますが直接的な光をとらえ観測したものも出てきており、我らすばるも直接観測に成功しています。

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 本書によると太陽のような小型の恒星の少なくとも5%が惑星をもっているようなので、1000億個の恒星があるといわれる天の川銀河だけでも数億の惑星があると思われます。当然ながら太陽系外の惑星の発見は、地球外生命体の発見という夢につながります。これは究極のわくわくテーマと言ってよいでしょう。

ちなみに私は地球以外にも生命はもとより知的生命体がいると信じています。その意味で今後のすばるの発展や、すばるをベースにした新世代の望遠鏡に多大な注目をもって見守りたいと思います。