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少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№8📕最初の星を見つける野望について

宇宙の一番星を探して 宇宙最初の星はいつどのように誕生したのか

 

 

   【使用教材】書名 宇宙の「一番星」を探し て                

       著者 谷口義明  2011年11月30日刊   丸善出版

                                                                     

    何でも最初というのは大きな意味をもちますね。最初に月に着陸したアームストロング 最初の女性宇宙飛行士テレシコワ 多くの人がそのことを知っています。でも宇宙で最初にできた星のことは、全くわかっていません。これはぜひ知りたい。その難題に応えてくれるのが本書です。

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    そのためには、まず宇宙の歴史に挑まねばということで、宇宙の膨張から導き出されたビッグバン宇宙論が語られます。宇宙の膨張が続いているなら、時を遡れば、宇宙の最初は、小さな点から始まり、それが爆発して今の宇宙ができたのではないかというのがこの理論の基です。この広大な宇宙を一点に集めるのですから想像を絶する熱さと圧力です。この理論を発表したロシアの科学者ガモフは、この状態を「火の玉」と名付けました。当初この理論は「そんな考えは大ぼらだ」と散々叩かれます。実はビッグバンというのは大ぼらをあらわす俗語で、これがのちにこの理論の名前になったのは何とも皮肉な話です。その後、観測的証拠が得られガモフは大ぼらでないことが証明されました。

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 次は銀河誕生の解明です。こちらは天体望遠鏡の出番です。まず1998年ケック望遠鏡が約125億年光年の銀河を発見します。しかし1999年に完成した日本のすばる望遠鏡が128〜129億光年の銀河を次々に発見していきます。遠い銀河の観測ではすばるの独壇場でしたが、その後ハッブル宇宙望遠鏡が132億年光年の銀河をとらえました。宇宙誕生から5億年後の銀河です。更に2011年 ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた127億光年の銀河にある星々の年齢を調べると、8億歳であることがわかりました。宇宙が誕生したのは137億年前なので、この星々は宇宙誕生2億年後に生まれたということになります。

    現在の理論予想では、宇宙年齢が1億年〜数億年頃に一番星が生まれたのではないかと推定されているようです。ただその星は相当暗いので、今の望遠鏡では到底とらえることは難しく、今後は後継の望遠鏡に託されることになります。著者によれば、ハッブル宇宙望遠鏡の後継機であるジェームス・ウエッブ宇宙望遠鏡がその最右翼だそうで、2018年に打ち上げの予定(当初の2014年から延期)です。技術の進展は、もう一歩のところまで一番星に迫っているようです。

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 さて本書は横組みの体裁です。横組みの本はともすれば、無機的で単調なレイアウトになるのですが、この本は全くそんなことはありません。イラストと色の使い方が抜群なのです。本書は全折カラーですが、文章の部分は見出しも含め、あえてスミ1色におさえ、カラーは写真やグラフのみに使用しているので、すごくメリハリのある紙面になってます。あと偶数ページの左下部分がパラパラ漫画になっていて宇宙独特のわくわく感を演出しています。難解になりがちな宇宙の話を、できるだけわかりやすい文章と楽しい体裁で理解してもらいたい。そんな気持ちが伝わってくるのがたまらなく好きです。