少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№6📕星の潔い死にざまについて

オリオン座はすでに消えている? (小学館101新書)   

 

    【使用教材】書名 オリオン座はすでに消えている                著者 懸(あがた)秀彦  2012年⒓月8日刊 小学館(新書)
 

                                                                                      

    本日のテーマは星の死です。本書の題名はオリオン座はとなっていますが、主役はオリオン座を構成している一等星 べテルギウスです。本書は、SF小説仕立で始まります。

     南東の空に輝く発光源の情報は国立天文台の中を駆け巡った。「あっ、本当だわ!あれはべテルギウスの超新星爆発に違いないわ!」大学院生のひとり、陶子が叫んだ.このときすでに岐阜県にあるニュートリノ検出装置「スーパーカミオカンデ」でも「べテルギウスの超新星爆発」と思われるニュートリノが感知されていた

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    これ満更ありえない話ではありません。べテルギウスは地球から640光年離れていて太陽の1000倍の直径をもつ巨大な星。寿命は約1000万年ですが、すでに燃料の水素を使い尽くして膨張し、表面温度は下がり赤色超巨星の高齢星になっています。いつ爆発しても不思議ではないようです。ただ、今見えているべテルギウスは640年前(足利義満が将軍の時)の姿なので、もし既に爆発していても地球には光が届いておらず我々にはその事を知る由がありません。逆にいえば、640年前に爆発していたなら、今日その姿をみせても不思議ではないのです。

    ただ爆発のときに発生するニュートリノを30時間前にスーパーカミオカンデがとらえるので、我々は事前に爆発を承知した上で空を見上げることになるでしょう。(ちなみにこのような施設は世界中どこにもないので日本が最初にその情報をキャッチするとのこと)この一報で世界は大興奮の渦になるでしょう。季節によっては昼でも見えるそうです。その状況が3〜4か月続きます。

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    地球に悪い影響はもたらさないのでしょうか? あるとすれば大量のガンマー線(波長の短い放射線)が地球を直撃することです。約4億4400万年におきた生物の大絶滅は、超新星爆発によるものではないかとの説もあるので大変気になるところです。ただガンマー線はべテルギウスの自転軸の2度の範囲内でしか放出されず、幸いにも地球はその軌道からはずれているため、直撃をうける可能性はまずないらしいのですが・・

    本書は「超新星爆発のしくみ」についても詳細に解説しています。超新星爆発は、太陽の8倍以上の質量でないと発生しない、また20倍以上の質量でないと爆発後ブラックホールにはならず中性子星になります。べテルギウスは太陽の質量の約20倍の質量なのでどちらになるか微妙ですが、本書では中性子星になる可能性が高いと記しています。

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    超新星爆発は、その星自体の終焉ではありますが、そこで飛び散ったガスや元素はまた新しい星の材料となりその誕生に寄与します。太陽や地球もその材料を使って誕生したわけですから、我々が今こうして生きているのも、超新星爆発あればこそなのでした。