少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№3📕アインシュタインの凄さについて

アインシュタイン丸かじり―新書で入門 (新潮新書)  

 

      【使用教材】アインシュタイン丸かじり    

          著 者 志村忠夫  2007年3月19日刊  新潮社

       

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アインシュタインが凄い人だということは承知していても、どこが凄いのか今まで正直わかっていませんでした。しかし、著者に言わせるとアインシュタインの偉業は、「全く無名の若者が囲碁棋聖・名人・本因坊と将棋の名人・竜王のタイトルを独占したようなもの」だそうです。この他 野球やクラシック音楽を例にその凄さも語っているのですが、スペースの関係でここでは触れません。しかし将棋を少しばかりかじっている私は、将棋と囲碁のタイトルを独占する凄さはわかります。100年に一人の天才が現れても困難だと思います。第1章のタイトルが「アインシュタインは偉い」ですから、著者の惚れ込みようは尋常じゃありません。でもこんな著者や本が私は大好きです。

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さて前回宇宙の膨張について触れてきましたが、実はこの問題にアインシュタインも無関係ではありません。あの有名な相対性理論です。アインシュタインは宇宙は膨張も収縮もしないと考えていました。ところがアインシュタインが主張した「一般相対性理論」(重力が空間をゆがめるという重力理論)が正しいとすると、あまたある星やガスなどの物質の重力によって空間がゆがみ宇宙は崩壊してしまいます。これにアインシュタインは困り果て、その結果、それを押し返す斥力が存在するということを主張して宇宙項を用いて静的な宇宙説を維持しました。しかしアインシュタインが打ち出した一般相対性理論の方程式を使って彼以外の優れた科学者(フリードマンルメートル)が宇宙はつぶれるどころか膨張していることを明らかにしてしまいました。後に「宇宙項の導入は生涯で最大の過ちだった」とアインシュタインは言ったらしいのですが…。

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さてこの本では、アインシュタインの理論を極力わかりやすく解説するとともに、戦前に日本を訪問したときの感想や、自然や人生に対する名言などもとりあげています。アインシュタインは日本を凄く気に入って「日本には我々の国よりも人と人とがもっと容易に親しくなれるひとつの理由があります。それは自らの感情や増悪をあらわにしないで、どんな状況下でも落ち着いてことをそのまま保とうとするという日本特有の伝統があるのです」なんてことを言ってくれています。東日本大震災時でも被災者の冷静な対応が国際社会から称賛されましたが、アインシュタインも同様のことを感じていたようです。あと詩人のダゴールとのやりとりの中で、「ピタゴラスの定理は人間とは無関係に存在している」と人間中心の宇宙論を皮肉ったりしているところも紹介されています。

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そして今の私の心に一番響いたアインシュタインの言葉はこちらです。

「重要なのは疑問を持ち続けることです。好奇心というものはそれ自体に存在価値があるのです」

55歳をすぎた私の望みは、訳知り顔のシニアになるのではなく、常に好奇心をもつ少年シニアになること。アインシュタインがそれを後押ししてくれています。