少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№2📕驚くべき宇宙の広大さについて

宇宙 その始まりから終わりへ (朝日選書)   

  

       【使用教材】書名 宇宙その始まりから終わりへ                      

          著者 杉山直  2003年6月25日刊 

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  「主題が明確」「順序だった構成」「著者の情熱が溢れでている」 この3つの条件を満たしている本が私にとっての良書です。本書はこの条件をすべて満たしてくれています。「科学者達がどのような宇宙論をうちたてたか」「宇宙の始まりはどのように起きたか」「宇宙はどんな構造になっているか」「宇宙の終焉はどのように予想されているか」といった基本的な知識がていねいにまとめられています。読み終わった後、心地よい満腹感にひたることができました。

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     宇宙が広大であることは理解していても、我々の太陽系が所属している天の川銀河だけでも1000億個(2000億という説も)の恒星があり、直径は10万光年(秒速30万㌔の光で10万年かかる)あり、さらにこのような銀河が1000億個あるのだなどと言われるともう想像の範疇を超えて圧倒されます。でもこれだけではありません。そんな広大な宇宙は、さらに加速的に膨張しているというのです。宇宙にはこれだけの数の星があり、その上、光も脱出できないという重力のおばけのようなブラックホールがあるにも拘らず宇宙全体が加速的に膨張しているということは、その重力を上回る力が働いていることになります。この正体不明の力をダークエネルギーというのですが、さらに正体不明のダークマターというのもあります。何と宇宙の物質・エネルギーの73%はダークエネルギー   23%はダークマターで、水素やヘリウムといった通常の物質はたった4%にすぎないというのです。まだまだ宇宙は謎につつまれているわけですね、著者はダークエネルギーダークマターの解明は21世紀に残された大きな課題といいます。今後科学者のあくなき真理への執念がこの難問を解明していくと思うと本当にわくわくしてきます。

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    しかし著者はエピローグでこのようなことを書いています。

    最近天文学や物理学の基礎科学に対する風当たりがきつくなっています。いわく「あなたのやっている研究は何の役に立つんですか」「お金になるんですか」(中略)著者自身はそれに対する反論をひとつしか思いつきません。役に立つ立たないが全ての判断基準ではなく、全ての人間がふと考えるような素朴な疑問に対して、その答えをみつけ、それを皆に伝えることも学問そして研究者の役割であるということです

  杉山教授、十分役に立っていますよ。現に私は遅まきながら宇宙や生命について学ぶことで毎日を楽しんでいます。学問とりわけ自然科学は人をわくわくさせる力があります。人間は基本的にわくわくすることが大好きなので、そのためには幾分かの支出もするでしょう。個人の幸福のみならず社会に与える経済効果もあるのではないでしょうか。そういえば宇宙博がもうすぐ幕張メッセで開催されます。こちらも今から楽しみです。