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少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№1📕宇宙規模の歴史の意義について

137億年の物語 宇宙が始まってから今日までの全歴史 

   【使用教材】書名 137億年の語                                     

    著者クリストファー・ロィド  訳者 野中香方子

  2012年9月10日刊  文藝春秋

 

                                          

    宇宙が誕生したのが137億年前のことだと言われています。それから今日までの全歴史を点ではなくつながりで考えまとめたのがこの本です。歴史の教科書では人類の誕生からスタートするのが常ですが、この本では宇宙の誕生→太陽の誕生→地球の誕生→生命の誕生→地球環境の変化→生命の進化というプロセスをおさえた上で、ようやく人類の誕生そして文明の形成にはいっていきます。この順を追った構成が人類についての理解もより深めてくれます。非常に理に適った構成と思うのですが、今まで人類と人類が属する宇宙・地球をひもづけてストーリーにまとめあげた本は殆ど見かけません。社会が専門分化し専門家自身も細分化したため宇宙から人類までの流れを書き上げることのできる人材が殆どいないのかもしれません。その点 大学で中世史を学んだ後、新聞の科学記者 教育出版の編集という経歴をもつロイドは、その資質があったのでしょう。

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    あと興味深かったのは、この本の構想が登校拒否になった小学生のお子さん相手に著者が家庭や旅先で勉強を教えていく中で生まれてきたことです。子供は楽しく、かつわかりやすくないと耳を傾けてくれません。この本の平易さや面白さもお子さんとのやりとりの中で鍛えられたものだと想像します。そういえば私の好きな作家のロフティングも離れて暮らす子供のために物語を創作し、あのドリトル先生シリーズを誕生させました。子供のためという強いモチベーションが素晴らしい本を産むのでしょう。 いずれにしてもこれだけ幅広く奥行きのあるテーマをたった一人でまとめあげる力量は並々ならぬものがあります。文藝春秋のホームページの動画で著者のインタビューの様子を見ましたが、想像以上に気さくな感じで大いに好感をもちました。

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一方彼は大変真面目な人であるようです。。東京大学岡ノ谷一夫教授(文学部出身の理学博士)との対談の記事でロイドはこのようなことを言っています。

  文系、理系などと教育を分けてしまう弊害のひとつとして「ビジョナリーリーダーが育たない」ということがあります。国民全体あるいは人類全体が直面する難問に対し幅広い視点から長期的に取り組めるリーダー・・そうした人材が出てこなくなってしまうのです。

  楽しい人だけど真面目に物事を考えている人。それが私の著者から受けた印象です。私自身も遅まきながらライフワークとしてこのような宇宙〜生命〜人類を貫く歴史を少しでも理解しようと思っています。その意味でもこの本は、私の生き方の指針となりきっかけをつくってくれた大切な一冊です。