少年シニア 55歳から学ぶ理科

生命のルーツを知ることは自分を知ること。生命の不思議で人生ワクワク致しましょう!

№175📕木登り名人のホエザルが木から落ちる理由

お元気ですか。少年シニアです。

霊長類の進化をみてみると、まずロリスやキツネザルなどの原猿類が誕生し、そこから

真猿類という今の猿に近いグループが派生しました。そしてその真猿類も、鼻がまるく

中南米に棲む広鼻類(新世界ザル)と、鼻が狭くアフリカやアジアに棲む狭鼻類(旧世

界ザル)に枝分かれしました。我々の祖先である類人猿も大きく言えば旧世界ザルのグ

ループに属し、個体数では旧世界ザルが新世界ザルを圧倒しています。

ただ、新世界ザルは非常にユニークなものが多く、それは彼らが棲む中南米の熱帯林の

多様性によるところが大きいといいます。本日は新世界ザルのお話です。。

サルが木から落ちる―熱帯林の生態学

サルが木から落ちる―熱帯林の生態学

  • 作者: スーザン・E.クインラン,Susan E. Quinlan,藤田千枝
  • 出版社/メーカー: さえら書房
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 単行本
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 新世界ザルのひとつに「ホエザル」がいます。ホエザルは太くよく響く声を吠えるようにして出すことで、群れの中でコミュニケーションをとっています。木登りの名人でもあり、枝の間を3mも飛渡って好きな葉や果実を目当てに木から木へと飛び移っていきます。実はホエザルは結構好き嫌いが激しいらしく、どんな葉や実でもいいというわけではありません。そのため飛び移る木の数も多く、自然と行動半径も広くなります。そのため、ホエザルの糞の中にある種子が、広範囲にわたり拡散し発芽することで、ホエザルは緑豊かな森づくりに大いに貢献しているそうです。

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 ところが本書の題名にもあるようにこの木登り名人のホエザルが木からたまに突然落ちてしまうことがあるというのです。別に眠ってうとうとしてというわけではないし、病気やケガというわけでもありません。元気に活動していたホエザルが突然落ちるのです。時にはそのまま死に至ることもあるそうです。これはどういうわけでしょう。

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 観察調査の結果、どうも毒のある植物を食べその毒がまわって意識不明となり木から落ちるケースがあるということがわかってきました。

植物が自己防衛のために毒をもつことは珍しくもなく、ホエザルもその点はちゃんと理解しています。少量の毒は寄生虫の駆除に役立つので、あえて毒の葉を食べることもあるといいます。毒のある葉はどれか、少量なら食べていい葉はどれかを選びだすことはホエザルに欠かせない能力であり、そのためホエザルは普段から少量の試食を繰り返しながら。その選別能力に磨きをかけているのです。

 ところが実は植物がつくりだす毒の量は、1年のうちの季節によっても育つ条件により違っていて、いくつかの植物は葉や小枝を動物に食べられたあとは、それまでより多くの毒をつくるのです。この変化がホエザルの運命を決めてしまうというわけでした。

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 熱帯はサバンナや砂漠や温帯に比べると複雑で、そのため多様な生態を生み出していると言われます。熱帯に棲む動物の個体数とその他のエリアの個体数の比率にくらべ、生物多様性を示す種の比率は熱帯が他のエリアを圧倒しているのです。(面積で言えば陸地の7%にしかすぎない熱帯林に50%以上の種の生き物がいるそうです)

その理由はいまだにはっきりしていないようですが、同じ熱帯であっても地域によって気候や地形が異なり、そのため多様な植物が育ち、それで植物に依存する動物も多様化が進むのではないかという説が有力です。

ですから今問題となっている熱帯雨林の減少は、ホエザルの生活を脅かすだけでなく、そこに棲む動植物の多様性を即奪うことになります。今後熱帯雨林の減少にどう歯止めをかけ地球環境の安定化と生物の多様化を維持していくかが、その状態を作り出してきた我々人類に強く問われています。

 

 ↓ホエザルの迫力ある声、熱帯雨林の減少に彼らも憤っているのではないでしょうか。


Red Howler Monkey Howls at Senda Verde Animal Refuge Bolivia

 

№174📕水辺をねぐらにする個性派「テングザル」

 お元気ですか。少年シニアです。

前回、ふつうの猿とは少し違った「ゲラダヒヒ」を紹介しましたが、今回ご紹介

する「テングザル」も、サルの仲間では相当変わり種の部類にはいります。

どんなところが、他のサル達と違っているのでしょうか。

テングザル―河と生きるサル (フィールドの生物学)

テングザル―河と生きるサル (フィールドの生物学)

 

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  テングザルは、霊長類の中のコロブス亜科に属し、ボルネオ島の固有種です。テングのようなとりわけ長い鼻をもつのは大人のオスのみで、私は横浜のズーラシア動物園でこの独特の顔を見てすっかり魅せられてしまいました。

 

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 その風変わりな顔立ちのみならず、他の猿と異なっているのは、必ず川沿い、または海沿いの木の上で眠ることです。他にもカニ喰いザルなど川沿いの木で眠ることを好む猿はいますが、テングザルほど厳格に水辺に執着する種はいないと言います。ただ日中は川の背後にあるマングローブの森で活動するので足場の悪い森にはなかなか人が入り込めず、テングザルの生態はなかなか明らかにされませんでした。

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 著者はそんな中人が入り込めるエリアを発見し、実に累積で約3500時間テングザルを観察し、その知られざる生態を明らかにしました。

まずわかったのは、テングザルは殆ど何もせず休んでいるということでした。起きている時間の実に75%以上を休息にあてていたのです。(残りの25%は採食と移動と社会交渉)。これは同じ旧世界ザルのニホンザルとは全く異なっています。二ホンザルは休息は約3割にすぎず、6割弱が採食や移動に時間を使います。

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 これはテングザルの特殊な胃の構造に由来すると著者は指摘しています。テングザルを含むコロブス亜科のサルたちの胃は3〜4つにくびれており、反芻動物である牛や駱駝などの胃の構造と非常に類似しています。テングザルの主食は若葉ですが、胃には様々なバクテリアが共生していて通常は消化が困難な葉に多く含まれるセルロースを分解してエネルギーに変換させているのです。その分解・消化に相当な時間を要することが長い休息の理由でした。

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 またテングザルは若葉だけではなく、果実や花も食べることも明らかになりました。それまでは花や果実は食べないと言われていたので、これは新たな発見でした。ただ面白いことに、熟したものではなく未熟な果実を多く食べ、その上一番おいしい果肉を捨てて種のみを食べるというのです。

これは熟した果実を食べ過ぎて糖分過剰になるとバクテリアの活動は急激に高まり、胃を膨張させ死に至らしめるからではないかと著者は指摘しています。

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 そしてもう一つの何故水辺の木の上で眠るのか、またワニが棲む危険な川を渡って向こう岸に渡る行動がみられるのかという謎ですが、有力なのは木登りにも長けた肉食獣のウンピョウからの攻撃があった場合、すぐに川を渡って向こう岸に逃げ込むためという捕食圧からの回避説です。(川に棲むワニからの脅威を避けるために、向こう岸までの距離が短い場所を選んでいる)

ただ、これは有力な説の一つであり決定的なものではありません。川沿いという見通しのいい場所にいることで他の群れを見渡し、雄と雌の出会いの確率を高くするためといった説もあります。ただ、まだまだ決定的な理由はわかっておらず今後の調査結果が期待されます。

 

↓ 川を渡る雌に雄がワニへの警戒音をあげてフォローしている姿が印象的です。


Proboscis Monkeys | World's Weirdest

 

ボルネオ観光では、川下りのクルーズでテングザルを観賞するというツアーも行われているそうです。あまり遠くないうちに密かに参加してみたいと考えている私です。

 

№173📕ゲラダヒヒ流平和主義に学べ

お元気ですか。少年シニアです。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

各国が排他的になって自分と違うものへの寛容さを失い、平和が脅かされよう

としているこの頃の人間様の世界。

ちっとはこの動物を見習ってはどうかと思い、ゲラダヒヒを取り上げてみます。

f:id:tkbkun:20170107140432j:plain (by 少年シニア画伯)

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 本書の著者河合雅雄氏は、京都大学の霊長類研究所の教授として活躍されたサル研究の第一人者です。その河合氏がまだ四十半ばのときに、謎の猿「ゲラダヒヒ」を調査するため、エチオピアの奥地にあるセミエン高地に調査隊長として乗り込みました。

セミエン高地は首都アジスアベバから北へ1300㌔という途方もなく遠い奥地ですが、ゲラダヒヒはこのあたりにしかいません。ここはエチオピアとはいえ、海抜3800mという高地のため朝は零下3度、日中でも雨の日などは5〜6度にしかあがらないという厳しい環境なのです。こんな寒いところに住んでいる猿はあまりいません。さらに驚くべきは、ゲラダヒヒの社会は非常に複雑で、十数頭の小さな群れから700頭を越す大群を形成するものまでいるということでした。これも猿の社会では、他に見られません。

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 どうしてゲラダヒヒはこんなに大きな群れをつくって生きているのでしょうか。どうもゲラダヒヒは他の猿とは生き方・考え方が違うようです。

群れを構成するユニットは1頭の雄と1頭の雌からなる小さなものから、1頭の雄と8頭の雌がいる大きなものまであります。メスにはたいてい1〜2頭の子供がいるので、20頭以上になるユニットもあります。一見力の強い一頭の雄がすべてを支配しているように見えますが、そうでもありません。

実はセカンド雄というリーダーの補佐役がいて、リーダーの雄と雌たちとのけんかの仲裁をして、ユニットの平和を維持すべく頑張っているのだそうです。そのことによって、1頭の雌だけと仲良くされることが許されます。

また一般的に若い雄は、一定の年齢に達するとリーダーの脅威になるため群れから追放されるというのが常ですが、ゲラダヒヒの世界では、ユニットからは離れるものの、その集合体である大きな群れ(バンド)には留まることが許されます。これも他の猿では見られない光景だそうです。

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 あと面白いことにユニットから離れて自由に行動しようとする雌に対して、リーダーの雄は怒りを表すものの、そう強い態度に出ることはなく、少し怒ってたしなめはするものの、その後おだてたり慰めたりしてユニットに留まるよう穏やかに対応するそうです。同じヒヒでもサバンナや砂漠などに棲むマントヒヒが、雌を暴力で従わせて、恐怖をうえつけることで雌を支配しようとするやり方とは異なります。

ゲラダヒヒの平和主義は、喧嘩をしないという意味の平和主義ではなく、喧嘩のあとのフォローや、行きつくところまで相手を追い込まないという意味での平和主義ということが言えるでしょう。

 

 ↓ 喧嘩はするものの、追っ払うだけで結構あっさりしている様子も見られます。(2:25)

  また喧嘩した後グルーミングをしている雄と雌もいます。(3:45)


Gelada vs. Gelada | World's Deadliest

 

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 どうもゲラダヒヒの社会構造はかなりゆるいつながりのようです。著者は群れの順位を確認するため2頭のリーダーの間に好物のむぎを置いたところ、威嚇しあい時に喧嘩はするものの決着がつかず順位がはっきりしなかったそうです。

群れが大きすぎてそれを統括する力のある雄の存在ができないのかもしれません。こうしたゲラダヒヒの社会構造は今後の人間社会の構造を考えていくうえでも参考になるのではないでしょうか。小競り合いはあっても大きな争いを生み出さないため、四角四面の窮屈なグローバル社会でもなく、個々が自分の殻に閉じこもった社会でもないゆるいつながりをどう作り上げていくか、

この第三の道が、人間にとってベターな戦略のように私には思えるのですが・・・。

 

 

 

 

 

№172📕アイアイを見たと言ってはならぬ

お元気ですか。少年シニアです。

日本では童謡などから愛されキャラとして人気の「アイアイ」ですが、実は地元の

マダガスカルでは悪魔的な存在として恐れられています。

実はアイアイという名は、現地の人が現地の言葉で「ハイハイ(私は知らない)」

と言ったのを白人が「アイアイ」と聞き間違え、そのまま定着してしまったという

説もあるそうです。

アイアイを見た者はと不幸になると言われているので、もし見ても「私は知らない」

としらばっくれないといけないそうなのです。

ただ、夜行性で警戒心も強いので、発見することは難しく、その生態もあまり分かっ

ていないというのが実情のようです。

 

アイアイの謎

アイアイの謎

 

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 最初にアイアイが発見されたとき、専門家たちは、アイアイを猿の仲間と考えずに、リスの仲間と考えていました。身体の構造の多くにリス類との共通点が見られたからです。しかし、古生物学者のオーエン教授がアイアイの大臼歯の歯冠が霊長類と同じような複雑な構造でリス類の臼歯とは全く違っていると指摘し、サルの仲間に位置付けられました。ただアイアイの独自性は霊長類の中で際立っており、アイアイ科として他のグループとは独立した形になっています。

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 アイアイの身体で何といっても特徴的なのは、際立って長い中指です。この中指でラミーと呼ばれる高木の種子の硬い殻に穴をあけて中身の胚や胚乳を食べるのです。面白いことに美味しそうな果実の果肉は捨ててしまうのです。実はラミーの胚や胚乳はクルミと同程度のカロリー(100gあたり584㌔㌍)があり、栄養価が非常に高いんですね。

 またアイアイは昆虫なども食べますが、昆虫が身を潜めている幹などを中指で叩いて昆虫の居場所を見つけ出し食べます。アイアイの大きな耳は中指のたてる音を正確に聞き取るためという説が有力だそうです。

                                    


アイアイ (上野動物園)

             

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 アイアイの寿命は結構長くて20年くらいと言われていますが、子どもの母親への依存期間は長く、1才になっても母親の乳首を吸っているそうです。これは中指の使い方に習熟する期間がかなりかかり、独力で餌をとることができないからではないかと、島氏は指摘しています。

本書の著者でもある島泰三氏は マダガスカルにおいて国際協力事業団のスタッフとして自然保護に尽力されるとともに、自ら設立したNGOアイアイファンドの代表として今も精力的に活動されています。森林の減少に歯止めをかけるとともに、自然保護区内の実態を詳しく調査しそれを広く発信することで、自然保護の気運を高めようとするものです。私もこの活動に共感し、些少ながら寄付させて頂きましたが、持続的なかかわりの中で、生命のベースとなる自然環境がよりよくなることを願ってやみません。

 

↓ アイアイファンドのHP

http://www.ayeaye-fund.jp/

 

今年の「55歳から学ぶ理科」は今回で終了。

ご愛読いただいた方に心からお礼申し上げます。

そして来年も引き続きよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

№171📕レムールの聖地マダガスカルの未来

お元気ですか。少年シニアです。

霊長類のルーツを語るときに、レムール(キツネザル類)は、忘れてはならない

存在です。レムールは、霊長類の原始の姿をとどめているからです。

そして、これらレムールの大半はアフリカ大陸ではなく、その東の片隅に位置する

マダガスカル」に棲息しています。

そして、最初はサル類と認定されずリス類とされていた「アイアイ」も、この

マダガスカルに棲息しています。

マダガスカル アイアイのすむ島

マダガスカル アイアイのすむ島

 

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   まず、アイアイの話しに入る前に、レムールの聖地ともいえる「マダガスカル」について確認しましょう。

マダガスカルは1億6千万年前にアフリカ大陸から分離しました。それ以前はマダガスカルゴンドワナ大陸(アフリカ大陸・マダガスカル・インド・南米大陸オセアニア大陸・南極大陸が一つになった超巨大大陸)の中心の核に位置していましたが、プレート運動によって切り離され、最終的にアフリカ大陸の東側に落ち着いたのです。

インド大陸が北上してユーラシア大陸に衝突したのと違い、マダガスカルは世界で第4位の面積(日本の約1.5倍)を誇る島になりました。そして超大陸の分離により、気候はより温暖湿潤化し、雨の恵みによって植物が育ち大森林地帯がマダガスカルに形成されました。

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 このことは、マダガスカルに生きる動物にとっても、大きな恵みをもたらしました。島として隔離されたことで、アフリカ大陸のような強力な大型肉食獣が存在せず小型の動物が、棲み分けして自分の生活エリアを確保することができたからです。

レムール類の先祖もこうした環境に守られながら、豊かな森林の樹上で果実やそれにむらがる昆虫などを捕まえて成長し、さらに棲息エリアを棲み分けることで、多様化していったのでした。

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 上野動物園には不忍池に隣接して「アイアイの住む森」が造られ、アイアイの他に、ワオキツネザルなどのレムール類や、マダガスカル食物連鎖の頂点にいるフォッサや、ホウシャガメなど、マダガスカルの固有種が多数展示されています。

実は本書の著者である島泰三氏は、これらの動物を多数マダガスカルから送り出してきた方で、本書でもお役所仕事に振り回されながらも様々な手段を駆使して動物たちを上野に送り出してきた経緯がユーモラスに書かれています。

 

↓ 上野動物園内のバオバブの木をバックに固まって暖をとるワオキツネザル

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↓ アイアイのお隣の部屋で好物のニンジンをたべるハイイロジェントルキツネザル

  野生では竹を主食にしているそうです

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 マダガスカル最強の肉食獣「フォッサ」

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 このようにマダガスカルは小宇宙の中で多様な生き物が共存する素晴らしい楽園のように見えますが、マダガスカルに棲息する生き物にとって、その未来は予断を許さないものがあります。その原因は何といっても森林の減少です。マダガスカルの豊かな森林は2000年前から入植した人類により農耕地や牧草地として焼き払われて今に到っているのです。

そのためこれまで多くの固有種が絶滅しました。アイアイの3倍もの体重があったジャイアントアイアイをはじめ2種が絶滅しました。以前はもっともっと多様で豊かな生命のドラマが展開されていたのです。

2000年前ではあっても、この小宇宙にやってきた最初の人間たちがすでに農耕文化をもっていたことは、マダガスカルの自然にとってある意味不運でした。

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 しかし、ここにきてマダガスカルの豊かな自然の保護に力を入れようとする活動が広がってきました。経済だけを優先させても明るい未来は開けないことに気付いた人間たちが増えてきたのです。本書の島泰三氏は、私財も投じつつ現地の人々や政府の力をうまく活用しながらマナサムディー山地に霊長類センターを建て、アンジアマンギラ―ナの森14380ヘクタールを自然保護区とすることに成功しました。今は野生のアイアイを守るためのアイアイファンドの設立者として活動されているとのことです。

 

少し長くなりましたが、レモール類とはまた異なるオンリー1的存在のアイアイの生態については次回にまとめます。

 

 

№170📕 われら霊長類が辿ってきた道

お元気ですか。少年シニアです。

宇宙の誕生からはじまったこのブログも、ようやく我が人類属する霊長類が大きく進化

をとげた新第三紀(約2300万〜260万年前)にまでたどりつこうとしています。

当面本ブログでは霊長類を中心に展開させていこうと思っています。

まずは、霊長類の全体像を確認しましょう。

新しい霊長類学―人を深く知るための100問100答 (ブルーバックス)
 

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 現在霊長類はおよそ350種が存在していて、大きく2つのグループに分けられます。まず一つめが曲鼻猿類で、霊長類の祖先的な特徴を多くもっているグループです。

キツネ猿類やロリス類などが該当し、歌でも有名になったアイアイもこれらのグループになります。キツネ猿類はマダガスカルとその周辺の島にしか存在せず、かなり特殊化しています。

↓  マダガスカルだけに棲息するというクロシロエリマキキツネザル

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そしてもう一つが直鼻猿類で、メガネ猿類と真猿類が含まれます。真猿類は、文字通り猿らしいグループで中央〜南米に棲息する新世界ザル(広鼻猿類)と、アフリカや東〜東南アジアに棲息する旧世界ザル(狭鼻猿類)にわかれています。我々人類は真猿類に属し、旧世界ザルのグループから枝分かれして誕生したのです。

↓われら二ホンザルは旧世界猿でオナガザル科に属します。

 道具を子巧みに使いこなし北限のサルとしても有名です。

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 霊長類のルーツをたどると意外とその歴史は深く、その祖先は約6500万年前、恐竜が絶滅したころの時代にまで遡ります。そして大変興味深いのが、その化石は、現在霊長類の活動領域となっている地域ではないアメリカのモンタナ州の地層から見つかったということです。どうやら霊長類が誕生したのはアフリカやアジアではなく北米のようなのです。

実は駱駝のルーツも中東や北アフリカではなく北米ですが、これは気候変動による移動の結果だそうです。新生代も後半に入ると次第に地球が寒冷化し、その結果高緯度ながら熱帯の様相を呈していた北米も次第に寒冷化しました。その変化に対応して、霊長類や駱駝が南下して自分の生活エリアを移動させたというわけです。

寒冷化によってベーリング海峡が陸橋となってユーラシア大陸・アフリカ大陸への移動が可能になったのでしょう。

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 そして真猿類の中から、類人猿と呼ばれるグループが誕生しました。類人猿は、普通の猿と異なり尻尾がなく大脳が発達していているグループで、我々ヒトを除く「テナガザル」「オラウータン」「ゴリラ」「ボノボ」「チンパンジー」がこれに該当します。

↓ 大型類人猿オラウータンのこども。この姿や表情をみると我々の近縁であることがよくわかります。

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これら類人猿も意外と歴史があって、約2300万年前(新第三紀)には存在していたようです。手の長いテナガザルの祖先が、その長い手を巧みに利用し樹木をぶらさがって移動することで、尾の必要性が薄れて、尾のない類人猿の道を開いたのでしょう。そして類人猿はさらに、多様化してその勢力範囲を拡大していったのです。

本書では遺伝子の解析や化石のデータと統合した遺伝研究所の斎藤氏の系統樹が紹介されていますが、それによるとオラウータンが約1400万年前に、ゴリラが約730万年に、チンパンジーが約540万年前にヒトと分岐 ボノボが約250万年前にチンパンジーと分岐したとされています。

↓ 大人のチンパンジー軍団。群れでなにかを企んでいるのでしょうか。

  我が人類も群れることが大好きなところを見ると、同じ穴のむじななのか

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ただ、ご存知の通り類人猿は非常に厳しい状況にあり、絶滅が危惧されているグループです。類人猿の大半は森に棲んでいるので森が減少されれば一気に生命の維持は困難になるのです。そして森林の減少は類人猿と最も近縁である我々人類が引き起こしているというのはあまりにも皮肉です。

まずは我々が、自分の所属先である霊長類(サル目)を正しく理解し、さらに近縁である類人猿について正しく理解するところから始められればと思います。その関係で当面ブログは霊長類について取り上げる予定です。

 

 

 

 

 

 

№169📕日本にサイが闊歩していた熱帯の時代

お元気ですか。少年シニアです。

日本人ですから、日本列島がどのようにしてできたのか大変興味があります。

日本の地形は、ユーラシア大陸の東端からもぎとられた部分とプレートが沈み込む

際に堆積された付加体によって作り上げられているそうですが、いろいろ調べてみる

と、かなり複雑な過程を経て現在の日本に到ってるようです。

日本列島ものがたり (1978年)

日本列島ものがたり (1978年)

 

            🗾    🗾    🗾    🗾

 実は新生代第三紀(約6500〜2600万年前)の日本は、ハワイさながらの熱帯の気候だったそうです。日本はまだユーラシア大陸の一部でしたが、大陸内部が乾燥気候であったのにひきかえ、日本の位置にあたる沿岸部分はかなりのむし暑さでした。

どうしてそんなことがわかるかというと、それはこの時代から出土する化石でわかるのです。植物では、ヤシの仲間のニッポンサバリテスやニッポンバショウが茂り、スズカケやケヤキ・ハスなどの化石が発見されています。また石狩や筑豊炭田に埋蔵された石炭の材料は、この時期に繁っていた被子植物だそうです。

               🗾    🗾    🗾    🗾

 そして海には、現在は南洋の海にだけ浮かぶオウムガイの一種であるブルチュルオウムガイが北海道の海まで日本の全域に住んでいました。軟体動物としては、現在オーストラリアにしか住んでいないピカリア貝の1種であるヤベピカリアのほか、多くの二枚貝が棲息していました。

「ヤベビカリア」の画像検索結果(ピカリア:ウィキペディアより)

大陸では、ツノがないサイ、サイ・ワタナベアミノドンや、カバやイノシシの近縁、アントラコテリウムと言われるサイほどの大きさの動物も棲息していました。いずれにしても、今の日本の気象とは相当異なる様相だったのです。

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 その後、様々な造山活動やプレート運動によって、日本列島の土台となる部分は大陸からはぎとられ、そこに海水が入り込み小さな孤島になり、またそれが離れたりくっついたり、更にプレートが沈み込む際に堆積される付加体がくっついたりして、次第に現在のような地形となっていったようです。

そして決定的だったのは日本海が誕生したこと。日本海が誕生したことにより,大陸から切り離され、東西南北広がった領土・領海の中で、世界でもまれな多様な植物相や、固有種の生き物(約130種)が棲息するようになったのです。

                  🗾    🗾    🗾    🗾

 こうした多様性は、日本がずっと大陸から分断されていたわけでなく、その時々の気候により大陸とくっついたり離れたりしていたことによるものだそうです。(氷河期が終わる1万年ほど前には、北海道は大陸と陸橋でつながっていました)。

そのため、固有種のパラダイスと言われる完全な孤島「ガラバゴス諸島」よりも,わが日本の方が固有種は多いそうです。

こうして見ると、いまわれわれが住む国土は固定されたものではなく、その時々で形をかえ、生物に影響を与え今に至ったことがわかります。もちろんその時間は気が遠くなるほど長いものではありますが、これからも万物は流転し形をかえ、その壮大なドラマを続けていくことでしょう。

 

 ↓ 2:40に本文でも紹介したワタナベサイが登場します。

       こちらで紹介されている絶滅は大半が人間によってもたされたものでしょう。


日本の絶滅動物 画像集

 

 

 

 

№168📕象から学ぶ大型のメリット・デメリット

お元気ですか。少年シニアです。

前回、哺乳類の大型化に言及しましたが、象の祖先と言われる「パレオマストドン」

を例にしてそのことを考えていきたいと思います。

へんな古代生物

へんな古代生物

 

                                       🐘    🐘    🐘    🐘

 パレオマストドンは象の祖先ですが、体長は約2メートルとまだまだ小ぶりで鼻の長さも今の象に比べるとかなり短いです。牙も生えてはいるもののこれもそんな迫力を感じません。彼らは約3500万年前、アフリカの水辺近くに棲息したと言われています。

「パレオマストド...」の画像検索結果

ただ体長2メートルと言っても、まだまだ肉食獣も大型化していない中で、そう脅威となる天敵は存在していなかったでしょう。また、当時アフリカとユーラシア大陸は物理的につながっておらず、閉ざされたアフリカ大陸の中でゆっくりと繁栄していくことが可能だったのでしょう。

              🐘    🐘    🐘    🐘

 競争状態が薄く脅威がなければ、一般的には生き物は大型化すると言われています。パレオマストドンは大型化する中で足も長くなりましたが、その一方で一番大切な水をどうやって飲むかというやっかいな課題に直面しました。口の位置が高くなると、水が飲みにくいのです。こうした問題に直面したのは象の祖先だけじゃありません。馬やキリンの祖先も同様の問題に直面しました。

馬やキリンなどは、大型化する中で、首の長いものが食糧や水の確保という生存面で欠かせない機能面で有利となり、その方向で進化していきました。

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しかし象の祖先は違いました。鼻を長くすることでその問題をクリアしたのです、鼻は水を吸引する機能をはたし、鼻の長いものが生存面で有利となり、その方向で進化していきます。こうして次第に長鼻目の名相応しい今の姿に変わっていったのです。

また大型化したことで水分の蒸発量も尋常ではなくこの点も、大きな課題でした。それで、象は身体の到るところに深いしわをもつことで身体の表面積を大きくし、水分の蒸発を防ぎました。

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 ただ、象はこの大きさゆえ食べ物の確保が急務となります。食べる量も尋常ではなく今の象も1日100㌔摂取するそうです。そのため大きな気候変動がおきて、植物の生態系に大きな変化が生じると餌の確保が困難となり、象もその生を維持できないのです。そのため長鼻目の動物は数多く絶滅しています。ナウマン象やマンモスもそうした形で絶滅し進化のいきづまりの動物になってしまいました。

また、前回のブログでも指摘しましたが、人類の誕生がこれら絶滅した象にも及んできます。人類は次第に群れを形成し道具を開発する中で、これらの大型の生き物を貴重な食糧源としてとらえ、狩りをするようになったからです。ぞの目だった姿が仇になったのです。

 

象の世界を知ってしまうと、声を大にして「大きいことはいいことだ」となかなか言えない現状があるようです。

 


たけしの万物創世紀「ゾウ 」

 

№167📕哺乳類が天国だった時代

 お元気ですか。少年シニアです。

哺乳類天国という本を読みました。隕石落下という突発的な事件によって、食物連鎖の頂点に約1億5千万年近く君臨していた恐竜が絶滅し、それまで恐竜の陰に怯えながら小さな身体で何とか雨露をしのいでいた哺乳類が、次第に勢力を拡大していった様子がィェ―ル大学のピーポディ自然史博物館に描かれているそうです。

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その壁画の名は、「哺乳類の時代」。しかし、この壁画を注目する訪問者は少数で、大多数の人は、大ホールに飾られた恐竜を中心とする「爬虫類の時代」がお目当てなのです。「哺乳類の時代」は大ホールの裏の薄暗い部屋にひっそりと飾られていると言います。

少しへそまがりな本書の著者ウォレスは、この人気の乏しい「哺乳類の時代」にインスピレーションを受けて、恐竜後に哺乳類がどんな経路をたどって今に到ったのか、またそのことに強い好奇心と情熱を注いだ学者について本書で詳細に記しています。

哺乳類天国―恐竜絶滅以後、進化の主役たち

哺乳類天国―恐竜絶滅以後、進化の主役たち

 

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  ただ、注意しなくてはならないのは、哺乳類といっても、この壁画に描かれているのは人類以外の哺乳類であって、我々人類はその中に描かれていないことです。本書のタイトルとなっている哺乳類天国というのは人類が誕生するまでの状況をさしているのであって、人類の進化とともに人類以外の哺乳類はまさに受難の時期を迎えます。

おそらく、この博物館の「哺乳類の時代」が人気がないのも、我々人類の姿が見当たらず自分の問題としてとらえられていないからでしょう。どうせ我々との結びつきが感じられないなら、その巨大さで他を圧倒する恐竜の世界をみている方がワクワクすると誰もが思うでしょうから。

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 しかし、そこにまだ人類の姿が見当たらなくとも、それまでの哺乳類の姿をあらためてみていけば、いま人類の脅威にさらされながら細々と生きている現生の哺乳類につながる個性的な哺乳類の姿を見かけることができるでしょう。白亜紀以降に生命をつないだ哺乳類は、大陸の衝突・移動や火山活動等による大きな気候変動に翻弄され絶滅を繰り返しながらも、何とか生命を引き継いで現在に到ったのです。

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 そして本書には、この時代に哺乳類の繁栄・大型化をうながしたのは、恐竜の絶滅やまだ人類が登場していないことに加えて、被子植物が格段に進化し多様化したことも指摘されています。当然哺乳類は、喰うもの喰われるものの関係で成り立つわけですが、とりわけ喰われる側の生き物が繁栄しなければ、喰う側の繁栄は成り立ちません。その意味で、被子植物の進化が、草食動物にとって繁栄のための原動力になったことは想像に難くありません。

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 この哺乳類の天国の時代においても生命の進化の鍵を握っていたのは植物だったのでしょう。白亜紀の大量絶滅においても植物は動物と比べて耐性が強く、絶滅の度合いも動物に比べると低かったと言います。植物は、いち早く回復し、白亜紀時代以上の進化・多様化を実現していったのです。

そして昆虫が哺乳類に先立ち、被子植物との共進化をはかり繁栄しました。そしてそれらを食べる小型獣や鳥類が進化し、またそれらを餌にする大型肉食獣が繁栄していく。このサイクルこそが自然の掟でした。

しかし、人類の登場でその不文律がどうもあやしくなり、決して哺乳類の天国といは言えない現在の状況を哺乳類の一員である人類が創り上げてしまったのは何とも皮肉なことと言えるでしょう。

 

 

№166📕多彩な顔と知恵をもつ賢者フクロウ

お元気ですか。少年シニアです。

繁華街池袋にフクロウがいることを知りました。ただ、それは造り物のフクロウ

で、「いけふくろう」と名付けられ、待ち合わせの恰好の場所になっています。

「いけフクロウ」の画像検索結果

フクロウの鳴き声は、昔は街でもごくあたりまえに聞かれましたが、今は中々

聴くことがかなわなくなりました。

前回哺乳類の中で闇の世界を支配するコウモリを紹介しましたが、今回は鳥類の中で

闇の世界を支配するフクロウのお話です。

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 フクロウは冷静で時に物怖じしない姿から古来より森の哲学者と崇められていましたが、なかなかどうして、獰猛な猛者です。

鳥類の中で鷲や鷹と同様「猛禽類」に属し、鳥類の食物連鎖の頂点にいるのです。鷲や鷹には力及ばないので、太陽が照っている時間は、鷲や鷹にその支配を譲り、自らは太陽が沈んだ闇の時間での支配者になることを決めたのでしょう。

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 フクロウの強みは何といっても音をたてずに飛べるつばさにあります。羽毛は一枚一枚の幅が広く、表面もとてもやわらかく滑らかなので、飛んでいる時、つばさに空気があたっても空気は滑らかに流れて音が出ないのです。これにより獲物に気付かれるとなく接近できますし、逆に敵からは身を守ることができます。

実は最高時速300㌔を誇る「500系新幹線のつばさ型パンダグラフ」は、フクロウの翼の構造を参考にしたそうですよ、

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 ただこのフクロウの飛ぶ音がしないことが、フクロウの研究を困難にしていると本書では述べられています。さらに夜行性・森林性ということもあって、夜活動しているところを調査しようと思っても見えにくいのです。巣箱や発信器などの装置を使って、見えなくても活動の様子がとらえられるよう工夫が必要になります。

本書で紹介された研究者は発信装置をもって森に分け入って警察に不審者と間違えられたというエピソードが紹介されていますが、フクロウの研究もなかなか大変です。

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 フクロウの種は146種と多彩で、その顔立ちも実にユニークです。動物園でシロフクロウを見たときは抱腹絶倒しました。小馬鹿にしたようにこちらを見て笑っているように見えます。そして首を180度回転させて煙にまくのです。

このシロフクロウは北極圏の荒涼としたツンドラ地帯を住処としていますが、放浪して北海道に姿を見せることもあるそうです。

フクロウの賢さや敏捷さが伝わってくる動画です


掛川花鳥園バードショー シロフクロウ snowy owl

 

  メンフクロウも奇妙で幽霊のような顔をしています。しかしこの顔に騙されてはいけません。メンフクロウは左右の耳の位置や大きさ、形。向きが違います。それで両方の耳に達する音の時間差で、音を出した獲物の位置を正しく認識し捕まえるハンターなのです。ネズミを主食とするので、ネズミに穀物を狙われて困っている農園主は、メンフクロウをとても大切にしているそうです。

 この動画はメンフクロウだけじゃなく数多くのフクロウの姿が見られます

メンフクロウ! - Lovely Owls!

最後は、樹木の全くない荒れ地の穴で生活するという「穴堀フクロウ」。自分で穴を掘ると思いきや、他の動物が掘って、今は使われていない穴をちゃっかりもらいうけます。だから正しくは「穴借りフクロウ」ですね。こいつは中々賢い奴で、近くに馬が放牧されていたりバイソンがたりすると糞を巣穴に運びます。糞には甲虫類が卵をうみつけることが多いので、ここで生まれた幼虫を食べる算段なのです。また糞の匂いは穴堀フクロウの匂いを消してくれるので、敵にきづかれないようにすることもできるというわけです。

穴堀フクロウとリクガメのからみが最高に面白い動画です。


Burrowing Owls | Wild Animals - Planet Doc Full Documentaries

 

やはり、フクロウはしたたかな知恵者でした。